2021年9月4日の
西武対
楽天戦(楽天生命パーク)で、西武の
栗山巧が9回に左前打を放ち、史上54人目の通算2000安打を達成した。西武の生え抜き選手で過去に2000安打を達成した選手はおらず、初の快挙だ。ところで2000安打目を本塁打で達成すれば盛り上がることは間違いない。栗山は「安打」だったが、2000安打目が本塁打だった選手は過去にいるのだろうか?
過去4人が本塁打で2000安打達成

節目の2000安打を本塁打で決めた巨人・落合
通算2000安打以上を記録した選手はこれまで53人。このうち、記念すべき2000本目を本塁打で決めた選手は4人いる。
最初に2000安打目を本塁打で決めた選手が大洋の
松原誠。1980年4月23日の
阪神戦で、相手投手の
長谷川勉から3ランを放ち、史上12人目となる2000安打を見事に本塁打で達成した。
次に本塁打で2000安打を達成したのが
加藤英司だ。加藤といえば阪急の主砲というイメージが強いが、キャリア最終年に移籍した南海時代の1987年に2000安打を達成している。くしくも相手は古巣の阪急で、かつての同僚である
山田久志から本塁打を放っての達成だった。
3人目はNPB史上最多、三度の三冠王に輝いている
落合博満だ。
ロッテ、
中日で活躍した後、1993年オフにFAで巨人に移籍。巨人2年目となる1995年4月15日の阪神戦で、
久保康生からメモリアルとなる一打を放った。ちなみに落合は通算1000安打、通算1500安打と節目をすべて本塁打で記録している。
4人目は、外国人では初の2,000安打達成者である
アレックス・ラミレス。
DeNA時代の2013年4月6日の
ヤクルト戦で、古巣ヤクルトの
石川雅規相手に本塁打を放ち、通算2000安打に到達した。
2001本目が本塁打だった選手は?

2001安打目が本塁打だった巨人・坂本
記念すべき2000安打目を本塁打で決めた選手は過去4人と少ないが、中には「続く2001本目が本塁打だった」という選手もいる。例えば、昨季53人目の2000安打達成となった巨人の
坂本勇人だ。坂本は2020年11月8日のヤクルト戦で2000安打を達成。右打者としては最年少、本拠地での達成は巨人史上初と記録づくめだった。坂本は第1打席で2000本を達成したが、続く第2打席で2ランを記録。自らで祝砲を上げる形となった。
坂本以外に「2001本目が本塁打」だった選手が何人いるのかを調べたところ、坂本を含め9人が該当した。NPB史上初の2000安打達成者である
川上哲治を皮切りに、
野村克也、
王貞治、
福本豊といったレジェンドも2001本目が本塁打だった。また、2000年以降では
駒田徳広、
清原和博、
阿部慎之助、
内川聖一が同様のケースだ。過去9人と「2000安打が本塁打だった選手」よりも多いが、2,000安打のプレッシャーから解放されたことで、リ
ラックスして打席に入ることができたのだろう。
「2000安打目が本塁打だった選手」はわずかに4人。やはり2000安打の期待がかかる中で本塁打を放つのはそう簡単ではないようだ。今後、節目の大記録を本塁打で決める選手は現れるか。その瞬間を楽しみに待ちたい。
文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM