2.5ゲーム差内に3チーム

9月19日の広島戦で5対1と快勝したヤクルト(左から村上、つば九郎、原)
ヤクルトが初回から一発攻勢で畳みかけた。9月19日の広島戦(神宮)。一番の
塩見泰隆が死球で出塁すると、続く
青木宣親が
高橋昂也のフォークをとらえ先制2ランを右翼席へ。さらに一死後、四番・
村上宗隆が真ん中高めのカットボールを豪快に右翼席へたたき込んだ。「青木さんがホームランを打ったので勢いに乗って打った感じです」。この一撃は
清原和博(
西武)を超える21歳7カ月での史上最年少100号アーチだった。
初回に3点を先制した打線に応え、投手陣も奮闘する。先発の
原樹理が6回を8安打されながら1失点と粘ると、7回からは
今野龍太、
清水昇、
石山泰稚が無失点リレー。ヤクルトは5対1と快勝した。
阪神、ヤクルト、
巨人が激しい優勝争いを展開するセ・リーグ。19日現在の3強の勝敗は以下だ。
順位 試合 勝 敗 分 勝率 勝差
1位 阪 神 114 62 47 5 .569 ――
2位 ヤクルト 110 54 42 14 .563 1.5
3位 巨 人 116 55 45 16 .550 1.0
2.5ゲーム差内に3チームがひしめいているが、果たしてどのチームが有利なのだろうか。週刊ベースボールの連載コラムで
岡田彰布氏は不気味なチームとしてヤクルトを挙げている。
「ヤクルトだが、実に不気味なんよね。オレがその不気味さを感じる根拠は、実は試合消化数にある。ヤクルトは阪神、巨人に比べ、5試合ほど多くゲームを残している(注:コラム執筆時)。これがヤクルトにとっては強みになる。とにかく追いかけるチームにとって、数多く試合を残しているのは、可能性を高めることになる。仮に阪神、巨人との直接対決をすべて消化して、2ゲーム差をつけられているとする。ここで残り試合の多さとして5試合があり、それをすべて勝てば、2.5ゲーム差を詰め、逆転できるというもの。もちろん優勝は勝率優先だから、単純計算はできないが、ヤクルトには限りない可能性が生まれるわけよ」
2015年以来、6年ぶりの優勝を目指すヤクルト。消化試合が少ない利点を生かせるか。今後の戦いから目が離せない。
写真=BBM