不安を抱えたまま開幕
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2年目の今季、二軍で必死に練習を重ねている宮川(球団提供)
2020年ドラフト1位で
西武に入団した
宮川哲。コロナ禍で迎えた1年目は6月の開幕となったが、同月20日に一軍デビューを果たした。1年間リリーフとして一軍に帯同し、49試合の登板で2勝1敗13ホールドという成績。「昨年は多くの場面で投げさせてもらい、すごくいい経験をさせていただきました。1年間通して一軍に帯同できたことは自分にとってプラスだったと思います。反省点としては、数字が他の中継ぎ投手より良くなかったことです。特に防御率は、確か3.80ぐらいだったと思いますが、周り(の投手)は1点、2点台だったので。あとは四球が多かったですね。三振は結構取れたのですが、四球を減らすことができれば数字としてはもっと良かったのかなと思います」と振り返った。
1年目を終えたオフは体力アップのため、走り込みを多くした。技術面では、フォームの安定を目指し、練習に取り組んだが、うまくいかないままキャンプインを迎えることになる。「(状態は)キャンプの時が一番悪くて、練習後もコーチに聞いたり、休日返上で増田(達至)さんに練習に付き合ってもらいました。僕は(投球時に)体が開くので、左打者(の方向)に(体が)向かっていっているイメージを、真っすぐになるような修正が必要でしたが、それができないままキャンプが終わってしまいました」。不安を抱えたまま開幕を迎えたが、連続四球によるサヨナラの押し出しや、1回で3失点を喫するなど不安定な投球が続き、6月下旬に登録抹消となった。
7月は、自分のフォームを見つめ直すことに時間を費やした。「特に腕の振る位置ですね。体が開くことで腕の位置が下がってしまうので、そこを重点的に見直しました。ワキ腹など体の硬くなっている部分をほぐすことも意識して練習しています」と試行錯誤の日々を過ごした。「状態は良かったり悪かったり。球速が上がってこないなかでも登板したら抑えないといけないので、力みが出てしまうこともありました。フォーム自体は良くなってきましたが、体がしっくり動いていない感じですね。投げ方を変えたので、球速がなかなか上がってこないのは仕方ないのですが、打者に対しての球筋だったり、自分の思い描く投球をしっかりするように意識していました」。
登板内容にもこだわる
厳しい夏を越え、今は実戦登板を重ねていくなかでの手応えは良い。「特に9月に入った最近は、球の質がとてもいいです。打たれたり点を取られたりはしていますが、配球や打者との相性もあるので、そこまであまり気にしていません。球やフォームはすごく良くて、(直球の)球速も150キロが出るようになりました。体にハマってきていると感じています」と自信をのぞかせた。
2年目の今年、本人としては不甲斐ないシーズンを過ごす宮川。決して思い描いていたシーズンを過ごせているわけではない。「昨年は走者のいるピンチの場面でも三振を取れていたので、そういう場面を任せてもらえる投手になりたいです」と、ここぞの場面での信頼感を得られるように腕を振る日々だ。
一時期は打者と対戦というよりも自分自身と戦っていたという宮川。打者と対戦ができておらず、ああでもない、こうでもないと余計なことを考えていた時期もあった。ファームの試合で結果を残すのはもちろん、登板内容にもこだわり「自分のやれることをやって、少しでも早く一軍に戻ってチームに貢献したい」と話す宮川のこれからの巻き返しに期待だ。
西武ライオンズ広報部