チームの逆転勝利に貢献

花巻東高の1年生・佐々木麟太郎は国学院久我山高との1回戦で、初回に右越えへソロ本塁打を放った
明治神宮野球大会は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、昨年の第51回大会は中止。11月20日、2年ぶりの開催となった第52回大会の開幕試合で、7000人の観衆を魅了したのは、花巻東高(岩手)の1年生・佐々木麟太郎のバットだった。
国学院久我山高(東京)との1回戦。1回裏の第1打席で右越えの先制ソロを放った。3、7回には犠飛による2打点を加え、チームの逆転勝利(6対3)に大きく貢献した。
菊池雄星、
大谷翔平を育成した花巻東高・佐々木洋監督の長男だ。ベンチでは親子が並ぶシーンもあったが、そっくりである。

佐々木の父は、花巻東高を率いる佐々木洋監督(左)である
183センチ117キロ。打席では16歳とは思えないオーラがある。
この日のアーチで、高校通算48本塁打。主な高校生で歴代1位とされる111本塁打を放った早実・
清宮幸太郎(現
日本ハム)は、1年秋終了時点で22本塁打だった。佐々木の今後の量産に早くもヒートアップするが、練習試合も本数にカウントされる「高校通算本塁打」とは、あくまでも参考記録に過ぎない。
NPBスカウトも数字より、内容を重視する。練習試合は調整の場。つまり、公式戦でいかに結果を出せるか。佐々木の場合は、その中身が伴っている。今秋の東北大会では打率.385、1本塁打4打点で初優勝に貢献。そして、自身初の全国舞台となった神宮で「一発回答」と、勝負強さを見せつけている。
花巻東高は来春のセンバツ出場が確実だ。同校は「岩手から日本一」がモットー。菊池、大谷の先輩が成し遂げられなかった東北勢初の甲子園制覇が目標である。2年生スラッガーとして注目を浴びる自身初の甲子園で、佐々木の真価が問われるところだ。
写真=矢野寿明