2021年ドラフトでは
隅田知一郎や
佐藤隼輔、
ブライト健太などの大学生選手が指名された。こうした来季に大卒1年目を迎える選手は、2018年に高卒入団した選手とは「同級生」となる。先にプロの世界に入り、大卒1年目を迎え撃つ「先輩同級生」は、例えば
ヤクルトの
村上宗隆などが挙げられるが、ほかには誰がいるのかご存じだろうか?
先にプロ入りしている先輩同級生は何人いる?

今季、高卒4年目で本塁打王に輝いたヤクルト・村上
2017年秋のドラフトで指名され、高卒入団した現役選手を以下にまとめてみた。
●ヤクルト
村上宗隆(九州学院)
金久保優斗(市原望洋)
●
阪神 牧丈一郎(啓新)
●
巨人 湯浅大(健大高崎)
●
広島 中村奨成(広陵)
山口翔(熊本工)
遠藤淳志(霞ヶ浦)
藤井黎來(大曲工)
●
中日 石川翔(青藍泰斗)
高松渡(滝川二)
清水達也(花咲徳栄)
伊藤康祐(中京大中京)
山本拓実(市西宮)
●
DeNA 阪口皓亮(北海)
櫻井周斗(日大三)
中川虎大(箕島)
●
オリックス 本田仁海(星槎国際湘南)
廣澤伸哉(大分商)
東晃平(神戸弘陵)
●
ロッテ 安田尚憲(履正社)
森遼大朗(都城商)
西巻賢二(仙台育英)※入団時は
楽天 ●楽天
なし
●
ソフトバンク 増田珠(横浜)
田浦文丸(秀岳館)
尾形崇斗(学法石川)
砂川リチャード(沖縄尚学)
●
日本ハム 清宮幸太郎(早実)
田中瑛斗(柳ヶ浦)
難波侑平(創志学園)
北浦竜次(白鴎大足利)
●
西武 西川愛也(花咲徳栄)
平良海馬(八重山商工)
高木渉(真颯館)
2017年ドラフトで指名され、高卒で入団した現役選手は、育成枠も含めると33人いる。この中で抜きん出た存在はやはりヤクルトの村上宗隆だ。高卒2年目に36本塁打を放ってブレークすると、3年目は四番に定着して最高出塁率のタイトルを獲得。4年目の今季は最多本塁打のタイトルに輝いた。ヤクルトは今季最下位から日本一へと上り詰めたが、チームの躍進を支えたのは間違いなく村上だった。
平良は日本新記録を樹立

今季も中継ぎで快投を見せた西武・平良
投手で活躍している選手では、西武・平良海馬が挙げられる。1年目の2018年は一軍登板がなく、二軍でも10試合で防御率5.40とそこまで目立つ存在ではなかった。しかし、翌2019年7月に一軍登録されると、力強いピッチングで次々に強打者を抑えて中継ぎに定着。2020年は54試合で33ホールドを挙げ、新人王を獲得した。今季はさらに安定感のある投球で、日本新記録の39試合連続無失点を樹立するなど、さらなる飛躍を見せた。
今季開幕四番を任されたロッテ・安田尚憲は、一時は打点ランキングトップに立つほどの勢いを見せたが、好不調の波が大きくまだ頼れる存在にはなれていない。リーグ制覇を狙うためにも、来季は打撃の確実性を高めたいところ。また、ドラフトで7球団競合と注目された日本ハム・清宮幸太郎は、現状は期待に応える活躍ができていないが、監督交代が殻を破るきっかけになるか注目したいところだ。
今季、飛躍を見せた選手としては、広島・中村奨成、ソフトバンク・砂川リチャード、中日・高松渡、DeNA・櫻井周斗が挙げられる。中村は39試合で打率.283、2本塁打と打撃面で貢献。来季は本職の捕手ではなく外野手の座を狙っている。リチャードは7本塁打と持ち前のパワーを発揮。主砲候補らしく来季はさらに本塁打を増やしてもらいたい。中日の高松は走力で貢献し、チーム2位の15盗塁をマーク。来季はレギュラー定着も狙えるだろう。DeNAの櫻井も中継ぎで30試合に登板。中継ぎの柱へと成長してもらいたい存在だ。
今季は、高卒5年目のオリックス・
山本由伸が圧巻の活躍を見せる一方で、
佐藤輝明など大卒1年目選手も活躍。同じ世代の「先輩・後輩」が共に躍動したシーズンだった。果たして、来季の高卒5年目と大卒1年目の選手はどのようなプレーを見せてくれるのか。ぜひ注目してもらいたい。
文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM