上位3人はまさに即戦力タイプ
今回は
原辰徳監督に怒られちゃうかもしれないけど、少し感じたことを書きたい。雑誌のコラムとだぶったところも多いが、ご了承を。
少し前の記事だけど、いよいよ春季キャンプが始まるが、
桑田真澄コーチの方針もあって、
巨人のキャンプで新人投手が二軍スタートになることが決まったという。
金の卵をつぶさないため、というが、どうなんだろう。一軍スタートならつぶれちゃうということなのかな。別に俺たちのころみたいに200球投げさせるとかはしないだろうし、焦って飛ばし過ぎていたら、コーチが止めればいいだけみたいな気がするんだけどね。
今回、この話をテーマに選んだ理由は2つある。1つは、今の投手陣で、ほんとに優勝を狙えるのかな、と思ったから。
昨年後半の失速は明らかに投手力だと思っている。今季の先発も
菅野智之、
高橋優貴、
戸郷翔征がいて、ほかにも
山口俊、
今村信貴、メルセデス、そこに新外国人
アンドリースで一見、頭数はそろっているが、菅野も故障を抱えているし、ほかもはっきり言えば、やってみなければ分からない。
元投手コーチの目でみると、3年ぶりの中断なし、143試合の戦いを考えると正直、心もとない。リリーフも層が薄いしね。
もちろん、それは桑田コーチも分かっていて、このキャンプでは若手を重点的に鍛える方針らしいけど、そこに新人の上位3人はいなくていいのかな。
3人がうまく絡んでいけば、先輩たちの刺激にもなるし、競争が熾烈になって、自然と層も厚くなるな、と思っていたんだけどね。
2つめの理由は、上位選手がプロ向きだなと思ったから。
ドラフト前に大塚淳弘副代表編成本部長が補強ポイントを「誰がどう見ても投手」と言っていたけど、特に上位は、即戦力投手狙いでいったドラフトだったと思っている。
1位の翁田大勢はスリークオーターよりやや下からの腕の振りでシュート系の球の球が面白い。最速は157キロらしいが、140キロ台後半でもコンスタントに出て、右打者の内角をぐんぐん攻める技術を身につけることができれば、一軍の打者にも脅威になるはずだ。
2位の左腕・
山田龍聖もいい。テークバックが小さく、パッと投げる。右肩が開かず打者方向に向かいステップしているし、球の出どころがかなり見えづらいと思う。3位の
赤星優志も先発の適性があり、実戦で試してみたいタイプだ。
3人が開幕からすぐ使える、使えないじゃなく、そのための準備をキャンプからしておいたほうがいい。ピッチャーは何人いてもいいからね。
俺がコーチなら今の時期は近くに置いてすぐ試しておきたい。そうすれば育成プランが出来上がる。見極めて、ダメなら、そこから落とせばいいだけだしね。
加えて彼らの経験もある。俺も
広島に1位で入ったとき、恥ずかしながら、まったく即戦力にはなってなかったけど、
古葉竹識監督に「一軍の空気を吸っておけ」と言われて一軍キャンプに呼んでもらい、先輩の言動から、すごく勉強になった。
ある意味、1位だからとヒイキされた面もあるが、それがドライチだし、そうされることで生まれる責任感やプライドもあった。そのあとを考えると、ほんといい経験だったと思う。
どうなんでしょう、原監督。今からでも一軍スタートにしていいんじゃないですか。それに監督の強烈なプレッシャーを今のうちの体験させておかないと、いきなりシーズン中じゃ委縮しちゃうかもしれませんよ。