主将は選手宣誓の大役

センバツ甲子園は30年ぶりとなる大会初日の順延。開会式も明日[3月19日]に仕切り直しとなる
第94回選抜高校野球大会は3月18日、
阪神甲子園球場で開幕を迎える予定だったが、天候不良により順延となった。春のセンバツの大会初日が仕切り直しとなるのは1992年の第64回大会以来、30年ぶりである。
第1日に試合が組まれる6校が参加する開会式も順延となったわけであるが、最も影響を受けたのは倉敷工高(岡山)の主将・福島貫太(3年)と言えるだろう。選手宣誓の大役を務めるからだ。
一般的な心情としては、無事に終え、試合に集中したいところであったと思われる。水入りにより、張り詰めた時間が1日延びたわけだが、主将・福島は順延を前向きにとらえる。
「昨日(17日)のリハーサルも緊張しましたが、選手全員が考えてくれた言葉であるので、代表として自分が甲子園でやり切ろう、と。もう1日、練習できる。もっとうまくなろうかな、と思います」
倉敷工高のモットーは「攻めて、攻めて、攻めたぎる」。和歌山東高との1回戦も明日に延期となり、この日は甲子園球場内の室内練習場で調整した。「あともう1日、最大の準備ができる」と、集中力を高めて、汗を流した。
倉敷工高は試合前日であっても「調整」とは無縁。「攻めていく。1日1日、うまくなっていく」と、心身ともレベルアップに励むスタイルを貫く。
こうした方針は野球にとどまらず、選手宣誓にも共通しているようだ。
「人に感動を与えられるように、今日も練習して、明日に備えたいと思います」
倉敷工高はメンタルトレーニングを取り入れており、ポジティブな思考が浸透している。3月19日。伝統のユニフォームを着用し、最高のスピーチを全国に発信するはずだ。
写真=田中慎一郎