「思い切り+しつこさ」が特徴
一番として高い出塁率も誇る吉川
28試合を終えて19勝9敗と貯金10を稼ぎ、2位・
広島に2.5ゲーム差をつけ首位に立つ
巨人。その中で、「一番・二塁」で27試合にスタメン出場している
吉川尚輝の貢献度は大きい。4月27日現在、打率.321、1本塁打、9打点、3盗塁。出塁率は.379を誇り、一番の役割を十二分に果たしている。
2017年、中京学院大からドラフト1位で巨人入団。野球センスは抜群だったが、度重なる腰痛やケガが頻発。昨年も6月上旬に、試合中のアクシデントにより左手中指骨折で2カ月間の戦線離脱し、108試合出場で打率.272、5本塁打、25打点、7盗塁。出塁率.313という数字も高い能力を持ってすれば、物足りなさが残った。
しかし、今季は打撃の安定感が向上。野球解説者の
伊原春樹氏は「吉川は思い切りのいい打撃をするが、しつこさも兼ね備えているのが特徴だ」と分析するが、2ストライクに追い込まれても簡単に打ち取られない。4月27日の
DeNA戦(横浜)でも初回、左腕の
坂本裕哉から中前打を放ったが、これもカウント2−2からのチェンジアップを巧みにとらえた一打だった。
吉川の2ストライクでの打撃成績は以下だ。
カウント0-2 9打数3安打、打率.333
カウント1-2 19打数3安打、打率.158
カウント2-2 15打数6安打、打率.400
カウント3-2 12打数4安打、打率.333
カウント1-2以外ではコンスタントに安打を重ね、2ストライク合計では55打数16安打、打率.291と3割近いアベレージを残しているのは驚異だろう。粘り強い打撃で今後も巨人打線をけん引していきそうだ。
写真=BBM