アクシデントにも動じない
4月29日の中日戦でプロ野球史上9球団目の通算4500勝に導くピッチングを見せた大瀬良
まさにエースのピッチングだった。4月29日の中日戦(バンテリン)、
広島先発・
大瀬良大地が中日打線を翻弄する。直球、変化球を丁寧に低めに制球するピッチング。
會澤翼が6回の守備から負傷でベンチに下がり、捕手が
坂倉将吾に交代となるアクシデントもあったが動じない。二塁を踏ませない抜群の内容で5回に
堂林翔太のソロで挙げた1点を守り切る。9回2安打無四球でリーグトップタイの4勝目。球団通算4500勝のメモリアルを完封勝利で飾った。
前日の
ヤクルト戦(マツダ広島)。2対0で迎えた8回に9失点を喫して逆転負けとなった嫌な流れを貫禄のピッチングで断ち切った。連敗も2で止めたが「勝つことだけを考えてマウンドに上がりました」と大瀬良。さらに「根気強く低めにボールを集め、打たせていこうという思いでした。結果につながってくれて良かったと思います。(球団通算4500勝については)歴代の先輩方が積み上げてこられた勝ちに、僕たちの名前を刻むことができてうれしい。またこれから1勝1勝、積み重ねていきたいです」と笑顔を見せた。
佐々岡真司監督も「一人で投げ切ってくれたのはさすが」とエースを称賛した。
大瀬良が心に刻むエース像がある。
「実績はもちろんですが、人間性というか、人として尊敬できることが大事なんじゃないのかなとは思っていて。あとは、マウンドに立ったときに『あの人ならやってくれる』とか、逆に『あの人でダメだったら仕方がない』くらいの信頼度があるのがエースと呼ばれるピッチャーなんだと思います」
さらに具体名を挙げている。
「僕がプロに入って『こういう人がエース』と思ったのは、黒田(博樹)さんとマエケン(
前田健太)さん。間近で一緒に練習させてもらったり、いろいろな姿を見てきました。タイプとしては違うお二方なんですけど、どんなときにも周囲から信頼されていた。お二方から学べたことは、僕の野球人生にとっては最高の、プラスになる経験です」
大瀬良も先輩2人に近付いているのは間違いない。
写真=井田新輔