「17」も最多の4人目

佐々木性では3人目の完全試合達成者だった佐々木朗
この稿から2本前、今月14日に公開されたものを脱稿したのは9日のこと。そこで「続くときは続く」と書いたら、さすがに完全試合ではなかったが、11日に
ソフトバンクの
東浜巨がノーヒットノーランを達成した。こちらも負けていられない(?)。ちなみにノーヒットノーランで、
佐々木朗希の完全試合から東浜のノーヒットノーランの間隔は30日、31日後のこと。ノーヒットノーランの間隔として最短は54度目と55度目の間で、1971年、
広島の
藤本和宏が8月19日に達成すると、続いて東映(現在の
日本ハム)の
高橋善正が21日に完全試合で達成。その間たった1日、2日後の快挙だった。
続くときは続くのも不思議なことではあるが、16度の完全試合にも不思議なことがある。佐々木朗希の背番号は「17」だが、その前、平成で唯一の完全試合を達成した
槙原寛己が背負っていたのも同じ「17」。最初の完全試合、2リーグ制で最初のノーヒットノーランを達成した
巨人の
藤本英雄も「17」だ。この「17」は完全試合を達成した投手の背番号としては最多で、3度目の完全試合を達成した国鉄(現在の
ヤクルト)の
宮地惟友を含めて4人が「17」と、現時点では完全試合と最も縁のある背番号といえる。
2位に並ぶのは「16」「20」「21」で2人ずつ。「16」は2度目の
武智文雄と11度目の
佐々木宏一郎で、ともに近鉄の投手だった。ちなみに最小は10度目、広島の
外木場義郎が背負っていた「14」。外木場は完全試合を含む最多タイ3度のノーヒットノーランを達成した右腕だが、プロ野球で初めてノーヒッター3度を達成した巨人の
沢村栄治も同じ「14」だ。最大は4度目、国鉄(現在のヤクルト)の
金田正一で、左腕で最初の達成でもあったが、「17」の倍数でもある「34」だ。
お気づきの読者もいるだろう。「佐々木」姓も多い。8度目の完全試合を達成した大洋(現在の
DeNA)の
佐々木吉郎もいるから、佐々木朗希は3人目の「佐々木」だ。背番号は数字も限られているが、これだけ無数にある苗字の中から完全試合16人のうち3人が「佐々木」。重複している苗字も「佐々木」だけだ。
【完全試合達成者(所属「背番号」)】
藤本英雄(巨人「17」)
武智文雄(近鉄「16」)
宮地惟友(国鉄「17」)
金田正一(国鉄「34」)
西村定朗(西鉄「20」)
島田源太郎(大洋「20」)
森滝義巳(国鉄「21」)
佐々木吉郎(大洋「18」)
田中勉(西鉄「29」)
外木場義郎(広島「14」)
佐々木宏一郎(近鉄「16」)
高橋善正(東映「18」)
八木沢荘六(
ロッテ「27」)
今井雄太郎(阪急「21」)
槙原寛己(巨人「17」)
佐々木朗希(ロッテ「17」)
文=犬企画マンホール 写真=BBM