目指すは雰囲気のある「扇の要」
楽天・三木肇二軍監督を父に持つ法政二高・三木翔大郎[左]は今夏の神奈川大会で2年生ながらマスクをかぶった[右は法政二高・絹田史郎監督]
法政二高の2年生捕手・三木翔大郎は野球以前の「日常生活」を大事にしている。
「靴をそろえる。食事では米粒を残さない。食べたら、後片付けをする。当たり前のことを当たり前に。これからも継続していきたい」
この3項目は父であり、楽天・三木肇二軍監督からの教えである。
法政二高は横浜桜陽高との神奈川大会の開幕試合(7月9日)を7対0で7回
コールド勝利。六番・三木は初回に適時二塁打を放てば、投手2人を好リード。二塁送球で2秒を切るという強肩で、相手校の二盗を阻止し、初戦突破に貢献した。第1シード・桐光学園高との2回戦で惜敗(4対6)したものの、攻守で存在感を示している。
1年秋にベンチ入りしてレギュラーの座をつかみ、春の県大会を経て、初めて迎えた神奈川の夏は、2年生唯一のレギュラーだった。3年生8人に囲まれ「ベンチ入りできない3年生の思いも背負っていかないといけない」と、背番号2は全身全霊を込めてプレー。この夏の経験は秋の新チームに生きるはずだ。
目標とする選手は、NPBのOBでは元
ヤクルト・
古田敦也氏、現役では
ソフトバンク・
甲斐拓也。雰囲気のある「扇の要」を目指している。1960年夏、61年春に甲子園連覇した法政二高も、1988年夏を最後に甲子園から遠ざかる。すでに、来春のセンバツ甲子園を目指した新チームがスタート。184センチ78キロの右の攻撃型捕手は、古豪復活の切り札として、チームの勝利のために力を尽くす。
文=岡本朋祐 写真=田中慎一郎