当初は巨人が抜け出していたが…

巨人は波に乗れずに苦しんでいる
オールスターまで前半戦と呼ぶことも多いが、現在各球団ともに約60パーセントほどペナントレースを消化している(記録は7月19日現在)。
今年はセ・リーグは
ヤクルトが独走し1強状態。パ・リーグは5球団が5.5ゲーム差以内にひしめき合う混戦状態と極端な状況だ。
セ・リーグのスタートは
阪神がどん底状態だった。開幕から球団以上ワーストの9連敗を喫し、4月23日現在で4勝20敗1分け、勝率.167。そのときのセ・リーグの順位は(右はゲーム差)、
1位 巨人 18勝 7敗 勝率.720
2位
広島 14勝 9敗1分 勝率.609 3.0
3位
中日 11勝10敗 勝率.524 5.0
4位 ヤクルト 12勝11敗 勝率.522 5.0
5位
DeNA 9勝11敗 勝率.450 6.0
6位 阪神 4勝20敗1分 勝率.167 13.5
で、この時点では巨人がやや抜けだし、阪神は実に13.5ゲーム差をつけられていた。
ところが阪神は4月24日から6連勝し息を吹き返した。4月24日以降の成績を見ると、
ヤクルト 42勝21敗1分 勝率.667
阪神 39勝25敗1分 勝率.609
DeNA 32勝31敗2分 勝率.508
広島 29勝36敗2分 勝率.446
中日 27勝39敗1分 勝率.409
巨人 27勝42敗1分 勝率.391
で、ヤクルトが貯金21と独走し、阪神も貯金14、勝率6割台と好成績を残している。一方、好スタートを切った巨人は借金15、勝率.391と大失速している。4月23日までチーム防御率2.88だったが、その後の70試合で4.46と投壊状態だ。特に6月は4.99、7月も4.99とほぼ5点近い防御率だ。
開幕直後、貧打にあえいだ阪神は4月23日までは1試合平均の得点は2.49だったが、それ以降は3.76とアップしている。
現在首位のヤクルトだが、コロナ禍の影響で7月8日から6連敗。2位・DeNAに11.5ゲーム差をつけているものの、まだ油断はできない状況だ。
楽天は貯金18が今では2に
一方パ・リーグも序盤は
楽天が4月26日から5月10日まで球団新記録となる11連勝をマークし一歩抜け出した状況だった。そのときの順位は、
1位 楽天 24勝 6敗1分 勝率.800
2位
ソフトバンク 21勝12敗1分 勝率.636 4.5
3位
西武 18勝17敗1分 勝率.514 8.5
4位
オリックス 16勝21敗 勝率.432 11.5
5位
ロッテ 12勝21敗1分 勝率.364 13.5
6位
日本ハム 11勝25敗 勝率.306 16.0
と、2位のソフトバンクに4.5ゲーム差をつけ独走態勢を作りつつあった。ところが、5月11日に連勝がストップすると3連勝以上が1度もなく、5連敗1度、4連敗2度と序盤の強さはまったく見られなくなってしまった。5月11日以降の成績は、
ロッテ 31勝22敗 勝率.585
西武 29勝23敗 勝率.558
オリックス 28勝25敗 勝率.528
日本ハム 25勝27敗 勝率.481
ソフトバンク 23勝25敗 勝率.479
楽天 18勝34敗 勝率.346
で、楽天は借金16とこちらも巨人同様大失速している。5月10日までの1試合平均得点は4.35だったが、それ以降は2.92と得点力が低下。18あった貯金も2まで減り3位に順位を落とした。追っていたソフトバンクも波に乗りきれずにいるので、パ・リーグの混戦は続いている。
文=永山智浩 写真=BBM