無類の勝負強さを発揮
CSで安定した成績を残した内川
ついにペナントレースに決着がつき、いよいよクライマックスシリーズ(CS)が開幕する。そこで今回は、CSでの主な部門における現役選手たちの通算成績を見ていこう。
打撃部門では今季限りでの引退を表明した
ヤクルト・
内川聖一の存在感が際立っている。2011年に横浜(現
DeNA)から
ソフトバンクへ移籍すると、主軸としてチームをけん引。通算54安打、通算10本塁打、今回は掲載しなかったが通算31打点もCSでの歴代1位だ。ソフトバンクは11年からの10年間で5度のリーグ優勝に対して日本一は7度と、ポストシーズンでは無類の強さを発揮してきたが、その象徴的な存在が内川ということだ。
安打と本塁打という積み上げ型の数字については、やはり常勝を誇ったチームの選手が強い。ただ、セ・リーグでは
巨人の
坂本勇人が両部門とも上位につけているが、打率に関しては.241に過ぎない。それだけにやはり内川の.355が光る。ランキングは5位だが、43試合、152打数は上位4人の倍以上の数字。その上での高打率だ。
投手部門では
日本ハムでエースの座に君臨した
ダルビッシュ有(現パドレス)がソフトバンク・
石川柊太と並ぶ最多の4勝をマークしている。石川の4勝がリリーフ勝利なのに対し、ダルビッシュはすべて先発勝利だ。5試合で平均8イニング以上を投げており、その上で防御率は0.89。08年10月11日の
オリックス戦(京セラドーム)では1失点完投勝利を飾っているが、この試合での14奪三振はCS記録となっている。
楽天の
田中将大も精度の高い投球を見せており、20イニング以上の投手の中ではトップの防御率0.64。巨人の
菅野智之も各部門で上位だが、意外なことに勝敗は3勝3敗のイーブン。ただ、18年10月14日のヤクルト戦(神宮)でCS史上初となるノーヒットノーランの偉業を達成している。
過去の通算記録を基準点にしながら、今季のCSの戦いを見ていくのも面白いだろう。
写真=BBM