環境は悪くないと思う

入団会見のオコエ
現役ドラフトで
巨人が
楽天の
オコエ瑠偉を獲った。
オコエは関東一高からドラフト1位で2016年に入った右打ちの外野手で、甲子園を見ていても、攻守走すべてにおいて才能の塊。楽しみしかない選手だった。
ただ、楽天入り後は伸び悩み、左ヒザの手術もあって今季は一軍出場も6試合のみ。このまま消えていくのかと残念に思っていた。
そこでこの現役ドラフトがあり、巨人が欲しいとなった。オコエにとってはビッグチャンス到来だ。
移籍というのは、もう一度、リセットする大きなチャンスである。監督、コーチ、同僚選手との新しい出会いがあり、ちょっとした一言が覚醒にきっかけになったりする。周りの目も、「なかなか結果を出せないオコエ」ではなく、「大化けしてくれるかもしれないオコエ」になるしね。
ただ、それは最初の半年くらい。そこで何か見せなきゃ、もうあとはない。
環境はいいと思う。巨人は監視と言うと言い方が悪いが、細かいことまでマスコミに書かれ、悪いとすぐたたかれるから、必死にやるしかない。
コーチ陣も、同じ右打者の
大久保博元が打撃コーチになっているし、
原辰徳監督の直接指導もあると思っている。
厳格な指揮官のイメージが強いかもしれないが、原監督は、本当は教えたがりで、特に右の若い長距離打者が好きだ。前も書いたことがあるが、
広島でくすぶっていた時期の
堂林翔太を指導したがっていたこともある。
コーチの立場もあるから、報道陣の前ではあまり教えたりはしないと思うが、巨人には「虎の穴」ならぬ「原の穴」がある。
俺がコーチをしていた前の監督時代なので、今はどうなっているか分からないが、東京ドームの奥にある監督室の横にある小さな部屋があり、そこにピッチングマシンとケージがあった。
原監督はシーズン中、気になった選手がいると、ここに呼んで打撃指導をしていた。ここで指導されたあと、見違えるほど打ち始めた選手を何人も見ている。
呼ばれるためには、まずは一軍に上がり、東京ドームを主戦場にする必要がある。春季キャンプでしっかりアピールし、「原の穴」入りを目指してほしい。
写真=BBM