興味深いエース番号争い

明大の4年生右腕・村田は昨春5勝、秋3勝を挙げ、明治神宮大会でも2勝をマーク。国学院大との決勝では完封した。年間公式戦10勝。昨年実績でチームトップである
東京六大学リーグ戦で今春、3連覇がかかる明大。開幕を前にして、最も興味深いのがエース番号争いである。
過去に
川上憲伸(元
中日)、
野村祐輔(現
広島)、
柳裕也(現中日)、
森下暢仁(現広島)、
入江大生(現
DeNA)ら、歴代の主戦投手が背負ってきた背番号「11」だ。
2021年に着けた主戦・
竹田祐(三菱重工West)が卒業した22年は空位だった。エース不在の危機感を抱いて臨んだ昨年、主将兼エース・柳がいた2016年以来の春秋連覇を達成。明治神宮大会で6年ぶりの優勝を遂げた。
春4勝でベストナイン受賞の150キロ右腕・
蒔田稔(4年・九州学院高)、春5勝、秋3勝、明治神宮大会でも2勝を挙げて「秋日本一」に貢献した副将の147キロ右腕・
村田賢一(4年・春日部共栄高)が両輪を形成。明大・田中武宏監督は昨年末の段階で、22年の実績から2人による競争を示唆していた。だが、年明けになって、新たな展開を迎えた。
4年生の147キロ左腕・
石原勇輝(4年・広陵高)が「自分も、着けたいです!」と、田中監督に自ら名乗りを上げてきたのだ。指揮官は「過去には野村、森下らが着けたように、4年生が背負うルールはない」と、3年生以下にもチャンスがあることを言及する。
2月25日からはオープン戦が始まり、サバイバルは本格化する。計25試合。あくまでも、実戦での結果を重視。田中監督は3月20日過ぎに提出する東京六大学野球連盟への選手登録ギリギリまで、見極めていくと宣言する。誰が「11」を着けるのか、目が離せない。
文=岡本朋祐 写真=菅原淳