定岡正二氏、篠塚和典氏、川口和久氏、槙原寛己氏の書籍『昭和ドロップ!』が5月2日(一部地域を除く)、ベースボール・マガジン社から発売されました。 昭和に生まれ育ち、昭和、平成に輝いた4人が、巨人、長嶋茂雄、青春の多摩川ライフなど、あのころのプロ野球を愛あり笑いありでたっぷり語り合う1冊です! これは不定期で、その内容の一部を掲載していく連載です。今回はわれらのサダさんに発刊のごあいさつです。 みんな昭和にウエルカムです

『昭和ドロップ!』表紙
こんにちは! ジャイアンツOBの定岡正二です。
2020年から『週刊ベースボール』で連載している『昭和ドロップ!』が、このたび書籍になりました!
何を隠そう、タイトルの『昭和ドロップ!』を考えたのは僕です。
1回目の取材の際、編集部がまだタイトルを決めていないと聞き、「みんなで考えましょうよ!」と提案しましたが、すぐ川口が『サダ坊と愉快な仲間たち』『おじさん酒場サダ』『球界のならず者、サダ軍団が斬る!』と、訳の分からないものを出してきた。
「このままだと、とんでもないタイトルになりかねないぞ!」と僕が預かることにしました。丸1日、悩み抜いて決めたのが、『昭和ドロップ!』です。
編集部からも、すぐ「いいですね!」と返事をもらいました。
絶対に入れたいと思ったのが、『昭和』の二文字です。年号は平成から令和になっていますが、僕らの中には、昭和の強烈な記憶が色濃くあります。昭和生まれ、昭和育ちの野球人ですからね。
最初は『昭和の言霊(ことだま)』とも思ったんですけど、ちょっと堅苦しいのと、カタカナが入ったほうがインパクトがあると思い、『ドロップ!』をつけました。縦の大きなカーブを意味する昔の野球用語ですが、どんどん掘り下げていくイメージと、昭和プロレスの必殺技『バックドロップ』、懐かしのお菓子『サクマ式ドロップス』にも通じ、昭和らしさにつながるんじゃないかと思いました。
当初は僕と篠塚和典、川口和久の3人でやっていて、2022年から、後輩・槙原寛己が加わりました。川口はカープからの移籍ですが、僕らの共通点はジャイアンツOBであることです。それぞれ性格は違いますが、だからこそ、僕一人で物語を紡ぐより、みんなで織り上げ、より美しく、幅広いものが生まれるのではと思っています。
毎回、テーマだけもらい、それについて好きなように話しています。ついつい、あちこちに話が飛びまくり、それを拾い集めてまとめてくれる編集部には感謝しかありません。
今回は過去の掲載を再編集し、書籍用をプラスすると聞いています。どれもかなり脱線しちゃっていますが、昭和の野球界をリアルに楽しんでいた人には懐かしさを、まったく知らないという若い人たちには新鮮な話がたくさんあると思います。
時々脱線する川口と、隙あらば笑顔で毒を吐くマキはしっかり監視し、寸止めにさせています。昭和生まれの人だけではなく、平成生まれ、さらには令和生まれの子どもさん、大正生まれの
杉下茂さん(元
中日ほか。巨人の投手コーチもしていた。大正14年生まれ、御年97歳です)のような大先輩も安心してお読みください。
みんな昭和にウエルカムです!