センバツ優勝時のメンバー

早大・熊田[左]と同大・松井[右]は東邦高時代のチームメートである
侍ジャパン大学代表選考合宿(6月17~19日、バッティングパレス相石スタジアムひらつか)で、東邦高出身の早大・
熊田任洋と同大・松井涼太が再会した。3月21日の早大と同大による定期戦(皇子山)依頼。昨年12月29日の東邦高校硬式野球部OB会主催の現役対OB戦(現役大学・社会人対高校生)でも、2人はプレーしている。
2019年春。東邦高はセンバツで30年ぶり大会最多を更新する5度目の優勝を遂げた。主将兼エースの三番・
石川昂弥(現
中日)を擁し、一番・中堅で打線をけん引したのが松井で、四番・遊撃を担ったのが熊田だった。
「高校時代のチームメートとこうして、一緒に野球ができるのはうれしいです」と語る熊田は、高校3年時に侍ジャパンU-18代表でプレー。早大では1年春から遊撃のレギュラーで、今春に初のベストナインを受賞した。昨年12月の同代表候補合宿(愛媛・松山)にも招集されており、勝手をよく知っていた。
一方、同大・松井は今春、関西学生リーグで初の首位打者(打率.467)を獲得。中心選手となったのは3年時からという苦労人である。今回、初めて同合宿に呼ばれた。
「知り合いもいない中で、熊田がいてくれたのは心強かったです。選手との間に入ってくれたので、気持ち良くプレーできました。また、どこかでプレーできたらうれしいです」
18日の紅白戦で、2人は紅組で出場。同大・松井は第1打席で法大の150キロ左腕・
尾崎完太(4年・滋賀学園高)から左前打。早大・熊田は4打席目に全日本大学選手権の優勝投手である、青学大の153キロ右腕・
常廣羽也斗(4年・大分舞鶴高)から遊撃手の左を鋭く抜ける左前打を放った。
「日本の大学球界を代表する投手と対決できたことは財産です。1打席目からしっかり合わせて準備し、結果が出て良かった」(松井)
「凡退した3打席も、感触は悪くなかった。結果を追い求めるよりも、自分のスイング、ベストを尽くしていきたい」(熊田)
熊田と松井は、球場から宿舎へと引き揚げる際も一緒。今合宿には49人が参加。代表26人の枠をめぐる激しい競争の中でも、2人だけの空間はやはり、リラックスできるようだった。
文=岡本朋祐 写真=BBM