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「全早稲田戦」で球場を盛り上げた早稲田大学応援部 「神宮への試金石となるような応援を」

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観客を巻き込んだ応援


全早稲田戦にはOB・OGを含め52人の応援部が動員された。左からチアリーダーズ・大堀さん、永田代表委員主将、吹奏楽団・平賀さん[写真=BBM]


 早大の現役学生と、OB現役社会人で編成する「稲門倶楽部」が対決する「全早稲田戦」(主催:早稲田大学野球部、新潟県南魚沼市、後援:稲門倶楽部、(株)ベースボール・マガジン社)が8月12日、新潟・南魚沼市の大原運動公園ベーマガSTADIUMで開催された。

 試合時間は3時間9分。猛暑の中、ほぼ休みなく、動き回っていたのが、早稲田大学応援部だ。この日、朝6時30分に東京を出発。プレーボール1時間前に会場に到着。ゲーム前、まずは『紺碧の空』を披露すると、エールでは『早稲田大学校歌』を声高らかに歌った。スタンドのボルテージは早くも最高潮だった。

 代表委員主将・永田新(4年・掛川西高)は試合前に、こう意気込みを語っていた。

「今回は早稲田と、早稲田OBによる真剣勝負。東京六大学秋季リーグ戦を控えて、神宮への試金石となるような応援をしたいです」

 吹奏楽団は早稲田ベンチサイドの一塁スタンドに陣取り、リーダーとチアリーダーズはネット裏で歌詞ボードなどを掲げ、三塁内野席でも観客を巻き込んだ応援を展開していた。

 応援企画責任者、広報責任者である吹奏楽団・平賀小絢さん(4年・成蹊高)が「今回の全早稲田戦は現役のほか野球部のようにOB、OGも参加していただきました。世代を超えた迫力のある演奏を披露することができ、私たちの応援が届いたのであれば、うれしいです」と語れば、チアリーダーズ総務、応援企画責任者のチアリーダーズ・大堀蘭乃音さん(4年・早実)は「先日、新潟のサマーリーグ(2年生以下のチーム編成)にも参加させていただきましたが、地元の方々と一緒になって応援できるのは新鮮です。とてもありがたい機会でした」と感謝を口にした。

スタンドでは両早稲田チームへの大応援が、1回から9回まで繰り広げられた[写真=BBM]


 今年の早稲田大学応援部のスローガンは「一丸」。その意味を、代表委員主将・永田は言う。

「神宮球場で一丸の応援席をつくることが、早稲田の優勝につながる。われわれ早稲田大学応援部が一番、大切にしていることは『泥臭さ』。勝っていても、負けていても、雨でも晴れでも、いつでも全力でゲームと向き合う」

 全早稲田戦で、早大の現役チームは稲門倶楽部に2対21で大敗。社会人の一球に対する集中力、執念を学ぶ場となった。応援部は猛烈な暑さでも、そんな素振りは一切見せず、試合終了まで、力の限りの声援を続けた。永田のメッセージを聞けば、野球部員も何かを感じたはず。試合後は校歌&エール、そして、最後はリーグ戦において、早慶戦で勝ったときのみ歌われる『早稲田の栄光』で締めた。

 早大・小宮山悟監督は試合後セレモニーで、この2曲を口ずさんだ。冗談混じりに「『早稲田の栄光』は自分の葬式のBGMに、と思っている」と語り「学生たちはこのメロディーに触れて、心に響いたものがあったはず」と、応援部への感謝と、早稲田への愛着を示した。

 応援部は8月27日~9月5日の夏合宿(岩手県・宮古)を経て、秋のリーグ戦に臨む。

文=岡本朋祐

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