明大史上No.1の通算64打点

明大・上田は東大2回戦で左前へ先制適時打。歴代13位タイのリーグ戦通算64打点とした[写真=矢野寿明]
1909年創部、明大野球部の歴史に、その名を刻んだ。主将・
上田希由翔(4年・愛産大三河高)が東大2回戦(9月10日)で1回表に先制打を放った。
通算64打点はリーグ歴代13位タイ。前日の1回戦で並んだ明大・
中村豊(上宮高、1992~95年在籍、元
阪神ほか)を上回り、明大史上No.1に躍り出た。明大は3対1で連勝して勝ち点1。試合後、田中武宏監督は上田の記録について「時間の問題だと思っていた。気にしていない」と、淡々と話した。
上田も落ち着いた口調で語った。
「気にしてないです。チャンスで1本を出すことだけを考えていました。その思いは、最初から変わっていないです」
あくまでもチームの勝利を喜ぶあたり、チームリーダーらしい発言だ。この日の適時打は今季初安打(リーグ通算83安打)。2試合で8打数1安打と、開幕カードは苦しんだ。「相手投手も抑えようとして投げてくる。どんな形でも一本出す」と、強気な姿勢を崩さない。
前日は二死三塁の場面で、上田は意表を突くセーフティーバントを仕掛けた。さらに、一塁へのヘッドスライディングも、間一髪でアウトになった。キャプテンの闘志あふれるプレーは「何としても1点」という思いから自然と出た。だが、試合後、
福王昭仁コーチからは「怒られました」(上田)と明かした。
「明治の四番として出場させてもらっています。『打ってかえせ!』という話になりました」
東京六大学における通算打点の歴代1位は早大・
岡田彰布(阪神監督)の81。上田は3年春に自己最多15打点を挙げたことがあり、リーグ記録更新も、決して不可能ではない。闘志を前面に出す主将は、チームの勝利にまい進する中で、数字もついてくるはずだ。
文=岡本朋祐