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首都大学リポート

篠田隼の同点弾などで一時は明治学院大がリードも 7回に大量失点喫し東海大に勝ち点譲る【首都大学リポート】

 

春はベストナインに輝く


東海大3回戦で同点弾を放った明治学院大・篠田隼


【10月7日】一部リーグ戦
東海大12-7明治学院大
(2勝1敗)

 秋季首都大学リーグ第6週1日目。勝ち点ゼロで最下位に沈む明治学院大は、1勝1敗のタイで勝ち点1の東海大との3回戦に臨んだ。その大事な一戦で、3回表に同点2ランを放ち一時流れを引き寄せたのが篠田隼(3年・成田高)だ。

 高校時代は腰の故障で1年ほどの期間を棒に振り、満足のいくプレーができなかったという篠田。だからこそ、大学では思い切り野球がしたかった。「大学へ行けば体も出来上がって、思うようにプレーできるんじゃないかと思っていたので、勉強と両立できる明治学院大へ行こうと思いました」と話す。

 明治学院大への進学は同級生の坂本涼(3年・成田高)の後押しも大きかった。「高校の頃から一緒に自主練習をやっていた坂本が明治学院大に指定校推薦で入ることが決まり、自分も『顔なじみの選手がいるところの方がやりやすい』と思って、志望しました」。

 その後、大学でもチームメイトとなった二人は、「バッティングの技術について話をしたり、キャッチャーの坂本に配球について教えてもらったりしています」(篠田)と切磋琢磨している。

 大学に入ってからは腰の不安もなくなったという篠田。2年春には2部ながら打率.333をマーク。2部優勝と1部昇格に貢献した。

 活躍を見せた一方で、昨年までは当てたヒットが多かったという反省も残った。「ピッチャーの球が速く、変化球のキレも良かったのでバットを振り過ぎずに当てる意識を持っていた」と話す。

 しかし、今年の1月から小澤輝(3年・桐光学園高)と共に間(ま)をつくる練習に取り組んできたことで、今春のリーグ戦では引っ張る打球が増加した。

「スローボールを投げてもらい、足を上げて待ってから振りにいくのですが、これまで見極められなかった低めの変化球が見えるようになり、ボールを当てるポイントも少し前になったので引っ張る打球も増えたのだと思います」と分析する。

 その結果、春季リーグでは自身初となるベストナイン(外野手部門)を受賞。しかし、「うれしかったんですけれど、打率(.292)が低かったので『もっと頑張らなければ』と感じました」と満足はない。

フォーム修正で長打力向上


 さらに、長打力をアップするべく冬場に取り組んだフォームの修正も奏功した。「バットがボールに当たる瞬間、これまでよりも背中を後ろへ逸らせるようなイメージでポイントと体の距離をとるようにしました。このフォームにしてからは打球に角度がついてオープン戦ではホームランも打つことができました」と手応えを感じている。

 指導にあたる金井信聡監督も「もともと、俊足でコンパクトなスイングができる選手ですが、打球が上がるようになってきた」と、その成長を認めている。

 今秋のリーグ戦ではコンスタントに安打を放ち、第5週を終えた時点でリーグ4位の打率.353をマーク。この日の東海大3回戦でも第1打席でレフト前に安打を放つと、第2打席では「狙っていた」というストレートをレフトへ。この打球がリーグ戦初となる2ラン本塁打となり「これまでやってきたことの成果が出ました」と喜んだ。

 明治学院大は、篠田のこの一発で流れをつかむと、終盤までリードを保った。しかし、8回裏に大量失点から逆転を許し7対12で敗戦。1部残留は他力本願となった。

 負けられない戦いが続くが「バッティングの調子は良いので、もっと打てるようにきっちりと準備し、ここぞという場面で一本打ちたいです」と篠田。目標は自身2度目となるベストナイン獲得だ。春の心残りを払拭するべくバットを振り続ける。

文&写真=大平明
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