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【大学野球】立大4年生復帰も…9回二死から同点、サヨナラ負けで7連敗 実力は紙一重、全員で白星を奪いにいく

 

ピッチャー総動員も……


立大のエース・池田は7回途中3失点と力投したが、勝利には届かず[写真=矢野寿明]


[東京六大学リーグ戦]
10月7日(神宮)
早大5x-4立大(早大1勝)

 1勝が遠い。一死を奪うのが難しかった。

 早大1回戦(10月7日)。立大の三塁ベンチはほぼ勝利を確信していた。1点をリードした9回裏。四番手で救援したのは、明大1回戦で先発した右腕・塩野目慎士(3年・足利高)。まさしく、ピッチャー総動員である。

 全員で今季初勝利を目指したが、二死二塁から代打・篠原優(4年・早大学院)に同点適時二塁打で、土壇場で同点に追いつかれる。さらに、代打・梅村大和(3年・早実)に中前打を浴び、立大は逆転サヨナラ負けを喫した。この秋、開幕から7連敗である。

 明大との前カードでは、一連の部内での不祥事を受けて、金子明雄部長、溝口智成監督、そして最上級生として責任を感じたという4年生が神宮球場での活動を自粛した。

 金子部長は9月30日での記者会見に続き「自粛」を「処罰、処分」ではないと繰り返した上で「大学と野球部との話し合いにより、今日の形になった」(金子部長)と、早大戦は4年生6選手と、学生コーチ2人が登録メンバーに戻った。なお、金子部長と溝口監督は9月30日に設置された「調査委員会」の結果が出るまでは、ベンチ入りを自粛するという。

 先発は4年生エースの副将・池田陽佑(智弁和歌山高)。明大との2試合を欠場したことについて、こう言及した。

「何も考えず、試合ができることがありがたい、と。他の4年生からもメッセージをもらったので、(その思いを)背負って投げようと。絶対に(今週は)試合ができる、と(この1週間は)練習をしていました。今日はいつもよりも、気持ちが乗っていたと思います」

 初回から飛ばした。気持ちで腕を振った。7回途中3失点でマウンドを降り、後続のリリーフ陣に託したものの、1点のリード(4対3)を守り切ることができなかった。池田は降板後、三塁ベンチで鼓舞し続けたが、願いは届かず。池田は「自分がチームを勝たせられなかった」と、敗戦の責任を背負っていた。

 前カードに続き監督代行として指揮した木村泰雄コーチは「どこの大学も高いレベルで、簡単には勝たせてくれない。4年生がチームを引っ張ってくれた。心強かったです」と振り返った。この日は副将・岩本悠佑真(4年・報徳学園高)がゲームキャプテンとしてけん引。開幕7連敗と厳しい状況が続いているが、試合は待ってくれない。早大2回戦を、チーム全員で白星を奪いにいく。実力は紙一重。勝利への執着心を、前面に出していくだけだ。

文=岡本朋祐
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