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【大学野球】法大から勝ち点奪取失敗の東大 最終カード・立大戦で51季連続最下位からの脱出を狙う

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「力どおりの結果になった」


東大は法大3回戦で勝ち点を落とした。最終カードの立大戦で最下位脱出を狙う[写真=矢野寿明]


[東京六大学リーグ戦▼第5週]
10月10日(神宮)
法大8-2東大(法大2勝1敗)

 東大は法大2回戦(10月8日)で雪辱し、対戦成績を1勝1敗のタイとした。対法大戦で2連勝した2017年秋以来の勝ち点(2勝先勝)奪取へ、勝負の3回戦を控えていた。

 翌9日は朝から激しい雨が降り注いでいたため、中止。迎えた10日、東大は2対8で勝ち点を落とした。序盤2イニングで8失点。大久保裕助監督は「力どおりの結果になった」と、完敗を認めるしかなかった。

 法大1回戦で6回途中4失点と力投した平田康二郎(3年・西高)が、先発した3回戦は2回途中7失点で降板したのが誤算だった。2回戦では松岡由機(4年・駒場東邦高)が、2失点完投勝利。法大打線は7安打も、あと一本を出せず、タイミングが合っていなかった。雨天中止で中1日。連投の松岡で必勝態勢を敷く選択肢はなかったのか……。大久保助監督の頭の中には、先発の構想はなかった。

「平田に行けるところまで行ってもらい、試合終盤で2点差以内であれば、投入も考えましたが……。出る展開にはなりませんでした」(大久保助監督)

 東大は1回表の攻撃を三者凡退。報道陣から「試合の入りの差」について問われると、大久保助監督は独自の見解を示した。

「相撲で言えば、立ち合いで決まった。相手打線は集中しており、ウチの投手陣(のボールが)は甘かった。こっちは緩んだ。向こうには、仕切り直しの期間があった」

 大久保助監督が口にした「緩んだ」を、誤解してはならない。1回戦からの3連戦は体力的にタフな部分はあるものの、大久保助監督としては「勢いが……」と、勝利した2回戦からの流れに持ち込みたかったのが本音だ。

 第7週・立大との最終カードを残す。東大は1勝8敗、立大は開幕8連敗と、勝ち点ゼロ同士の直接対決が控える。勝ち点を取ったほうが単独5位。東大としては、1998年春から続く51季連続最下位の脱出のチャンスだ。

「ようやく1つ勝つゲームができて、チームの雰囲気は上がっている。(立大戦では)これを2試合やらないといけない。(法大3回戦は)力負けしましたが、落ち込まずに、今まで1年間やってきた練習の成果を出す。勝ち点を取って、チーム目標を達成したいと思います」

 東大・井手峻監督は病気療養中のため、この春から大久保助監督が監督代行として指揮を執っている。法大2回戦の試合後直後には「おめでとう」とLINEでのメッセージが届いたという。2020年からタッグを組んできた大久保助監督は良い報告をするため、学生とともに最終カードを、全力で戦いに挑んでいく。

文=岡本朋祐

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