フォークを投げ切ってピンチを脱する

6回4安打無失点と堂々たる投球を見せたオリックス先発・宮城
[日本シリーズ第2戦]
10月29日(京セラドーム)
オリックス8-0
阪神(1勝1敗)
第2戦はスコアとしては第1戦の裏返し、8対0でオリックスが勝利したが、ポイントとなったのは
宮城大弥のピッチングだろう。最もしびれた場面は1対0で迎えた4回二死一、二塁の場面。
ノイジーに対してカウント2-2からの5球目、内角142キロ直球に球審の右手は上がらない。ストライクと言ってもいいコースだったがボールとなり、フルカウントに。しかし、宮城は気持ちを切らさない。6球目にはフォークを選択。キレのある勝負球をしっかりと外角低めに投げ切り、ノイジーを空振り三振に仕留めた。
すると、その裏、だ。二死から
西勇輝が外角ギリギリに投げ込む変化球を
宗佑磨が見極め、四球を奪い取る。続く
紅林弘太郎は内角へのツーシームに詰まらされたが右前に落とす。二死一、三塁となり、
野口智哉、
廣岡大志、
中川圭太の3連続適時打が飛び出して3点を追加したが、オリックス打線の集中力は見事だった。西にとっては二死からの四球が痛かったが、短期決戦は一つのミスが大ケガにつながる。3回の先制点も自らの一塁けん制悪送球が要因となった。阪神ベンチはそれを再認識したのではないだろうか。
それにしても今季、宮城は10勝をマークしたが、“勝てる投手”である意味が分かる投球内容だった。投球フォームを微妙に変えて打者のタイミングを外す。右打者の内角にキレが抜群の角度ある直球を投げ込む。さらに感心したのは緩いカーブを捨てなかったことだ。
初回、二番・
中野拓夢に85キロの超スローカーブを中前に運ばれたが、この球種を“消す”ことはしなかった。球種が遅く、投げるのに勇気がいる超スローカーブ。打たれるとますます使いづらくなるが、その選択肢がオリックスバッテリーにはなかった。第1戦では
山本由伸がカーブを制球できずにストレートとフォーク主体の内容となり、投球の幅が狭くなり苦しくなったが、それとは真逆。自分が持つ球種をしっかりと使い切って、6回4安打無失点の好投につながった。
オリックスは7回
宇田川優希、8回
山崎颯一郎、9回
小木田敦也がいずれも三者凡退。見事な完封リレーだったが、9回にクローザーの
平野佳寿を起用しなかった点が少し気になった。日本シリーズの大舞台、点差は開いていたが“慣らし運転”をしても良かったのではないか。この起用法が今後に影響を及ぼすか、及ぼさないか。第3戦以降の注目点だ。
写真=BBM