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【高校野球】「この瞬間から、明日のことを考えよう」決勝進出決定後、関東一高・米澤貴光監督が選手に伝えた言葉

 

「2校行ける考えはない」


関東一高・米澤監督は生徒たちに「勝利への執念」を浸透させている[写真=桜井ひとし]


[秋季東京大会準決勝]
11月4日(神宮)
関東一高5-1早実

 勝者とは思えない厳しい表情だった。浮かれた様子は一切、見られない。

「この瞬間から、明日のことを考えよう」

 関東一高・米澤貴光監督は早実との東京大会準決勝直後、生徒たちにこう伝えた。

 なぜ、指揮官は素直に、勝利を喜ばないのか。翌日に決勝が控えているからである。

 来春のセンバツ甲子園への資料となる東京大会。「関東・東京」の一般選考枠は「6」。関東4、東京1が基数であり、残り1枠を関東5位校と東京2位校で争う。つまり、東京大会優勝校が「当確」となる一方で、準優勝校は微妙な立場のまま、年越しをしないといけない(選抜選考委員会は、来年1月26日)。

「(東京地区は)1校しかないと思っている。2校行ける考えはない」

 2022年は国学院久我山高と二松学舎大付高、23年は東海大菅生高と二松学舎大付高と、2年連続で東京地区から2校が選出された。米澤監督には「3年連続」は毛頭ないのである。

 関東一高は毎年夏、3年生中心のチームを編成してくるが、今秋は「下級生から経験している選手が多い」という強みがある。今夏は東東京大会5回戦で日大豊山高に延長10回タイブレークで惜敗(1対3)した。

 主将で強打の三塁手・高橋徹平、ゲームメークに長ける左腕・畠中鉄心、145キロ右腕・坂井遼、正捕手・熊谷俊乃介など上級生が夏の修羅場を味わっており、頼もしい戦力が整う。

「意地でも、何とか勝つ。必ず、勝ち切る」

 米澤監督は試合後の記者会見で、勝利への執念を、包み隠さずに披露した。

 最近は長髪OKの学校が増えてきている中で、関東一高はベンチ入り20人が短く刈上げていた。創価高との決勝では、グラウンドとスタンドの控え組を含めた全部員が意思統一し、2016年以来のセンバツ切符を手繰り寄せる。

文=岡本朋祐
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