タフな精神力を蓄える必要性

日体大・古城監督は明治神宮大会準決勝敗退後、すぐに一塁ベンチ前でミーティングした[写真=矢野寿明]
[明治神宮大会大学の部・準決勝]
11月19日(神宮)
慶大5-1日体大
日体大は今大会3試合目だった。中部学院大との1回戦(11月15日)で初戦突破を遂げ、天理大との2回戦(同18日)で勝利して4強進出。前日からの連戦となった、慶大との準決勝(19日)で敗退した。当時3年生のダブル右腕エース・
松本航(
西武)と
東妻勇輔(
ロッテ)を擁して37年ぶり2度目の優勝を遂げた2017年以来の決勝進出はならなかった。
5日間で3試合。日体大・古城隆利監督は調整の難しさを、あらためて感じた。
「首都大学リーグ戦は土、日開催で3連戦がありません(1勝1敗となった場合の3回戦は、予備週に組まれる)。コンディション的には難しくない。一方、トーナメントを勝ち切るスタミナを、リーグ戦で培っていないのが現実。練習の中でプレッシャーをかけながら、タフな精神力を蓄えていかないといけません」
収穫もあった。日体大はこの秋、1995年春~96年春以来のリーグ3連覇を遂げた。
「昨秋はリーグ優勝をしましたが、関東大会(横浜市長杯)で敗退して明治神宮大会の出場を逃した。今年6月の全日本大学選手権は初戦突破。そして、今大会は2勝と、一つずつステップアップしている。日体大の歴史にない4連覇を達成して、(来年の6月の全日本大学選手権に)戻ってきたい」(古城監督)
今大会、2勝を挙げた箱山優(3年・日体大柏高)と、慶大との準決勝で力投した
寺西成騎(3年・星稜高)と、本格派右腕2人が残る。古城監督に松本、東妻の両輪との比較をしてもらったが「あの2人は、抜けていましたからね……。来年、箱山と寺西には、そこを目指してほしい」と叱咤激励した。
神宮でしか味わえない課題を持ち帰る日体大。学習能力の高い集団であり、24年にはレベルアップしてくるはず。「リーグ戦も決して侮れません。きっちり戦っていこうと思います」。古城監督の視線はすでに、次へと向いていた。
文=岡本朋祐