勝ち点0同士の決戦

駒大の4年生左腕・高井は国学院大1回戦で4安打完封した[写真=矢野寿明]
【5月15日】東都大学一部(神宮)
駒大2-0国学院大(駒大1勝)
お互い勝ち点0で迎えた決戦。このカードを落とすと、厳しい状況となるのは承知の上だ。
駒大は開幕カードの中大1回戦で先勝して以降、7連敗(亜大1回戦では先勝を許し、その後は未消化)。国学院大は未消化分の2カード(対亜大は1勝1敗、対日大は1敗)を含め、1勝6敗と厳しいシーズンが続いている。「一部残留」へ、何としても、最下位と入れ替え戦を回避しなければならない。
第5週で駒大と国学院大が激突。駒大がこの大一番で連敗を7で止めて、1回戦を先勝した。左腕・高井駿丞(4年・
広島商高)が102球の省エネ投球で4安打完封した。
最上級生をシャットアウトへと導いたのは初先発の1年生・渡邊怜斗(相洋高)である。昨春の神奈川県大会では主将として準優勝に貢献し、関東大会でも1勝を挙げた。第1シードだった夏の神奈川大会は8強と、レベルの高い攻守に加えて、リーダーシップも抜群。ルーキーが守りを固めて、救世主となった。

6回裏一死満塁から三番・増見が2点適時打。これが決勝点に[写真=矢野寿明]
ディフェンスだけでなく、バットでも存在感を示した。双方無得点で迎えた6回裏、先頭の渡邊が遊撃内野安打で出塁。一死後、2つの四球で、満塁から三番・増見優吏(2年・熊本工高)が値千金の右前2点適時打を放った。駒大も4安打。ワンチャンスを生かす、集中力を見せたのである。今年2月から母校・駒大を指揮する香田誉士史監督が掲げてきた「粘りの野球」を体現したのだった。

試合後、殊勲の2人が笑顔でポーズを取った。左から増見、高井[写真=矢野寿明]
連敗を止めて、先勝したが、気を緩むことはできない。国学院大2回戦、そして未消化分の亜大2回戦を残しており、一戦必勝態勢で「入れ替え戦回避」への戦いが続いていく。