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巨人の内野陣がGG賞を独占?「吉川尚輝が受賞していないのが不思議」との指摘が

 

ずば抜けている安定感


身体能力の高さを生かした守備を見せる吉川


 首位争いを繰り広げている巨人広島に敵地・マツダ広島で2連敗を喫したが、強固な投手陣を中心に守り勝つ野球を見せている。

 象徴的な試合が、DeNAと対戦した北陸シリーズだった。1戦目(富山)が2対1、2戦目(福井)が4対0と2連勝。普段プレーしていない地方球場は守備で難しさがある。福井県営球場は内野が土のグラウンドでゴロがイレギュラーする場面が見られたが、巨人の鉄壁の内野陣は無失策。他球団のスコアラーはこう評する。

「内野陣の守備力で言えば、巨人がNo.1でしょう。安定感がずば抜けている。吉川尚輝はゴールデン・グラブ賞を一度も獲得していないのが不思議に感じるほど。守備範囲の広さ、球際の強さと球界トップクラスです。遊撃から三塁にコンバートされた坂本勇人も打球に対する反応が早く、送球も安定している。岡本和真は三塁の守備で高い能力を発揮していましたが、一塁もハンドリングがうまく内野陣は安心して投げられる。門脇は失策の多さが指摘されていますが、プロ2年目でよくやっていると思いますよ。この4人で内野のゴールデン・グラブ賞を独占しても不思議ではない」

壁に直面している門脇


 阿部慎之助監督が就任した今季は、一塁・岡本、三塁・坂本、遊撃・門脇のレギュラー起用を明言。攻守でさらなる奮起が求められる吉川は4月下旬から三番で起用され、攻守で期待が大きい。坂本は打撃がまだまだ本来の状態ではないが、守備での貢献度が光る。5月11日のヤクルト戦(神宮)では2点リードの7回無死一塁で、長岡秀樹の三塁前のセーフティバントに素早く反応してランニングスローで一塁をアウトにした。9回無死一、三塁のピンチでも中村悠平のボテボテの三ゴロを二塁へジャンピングスロー。吉川の一塁送球で併殺を完成させた。

今季、2年目を迎えた遊撃・門脇


 この中で、乗り越えなければいけない壁に直面しているのが門脇だ。「八番・遊撃」で先発出場した17日の広島戦(マツダ広島)では2つの失策を記録し、リーグワーストタイの今季7失策に。名手には珍しい光景だった。3回に先頭打者・秋山翔吾の力強い打球をファンブルすると、4回一死一、三塁の場面で再び秋山の二ゴロに対し、二塁に入って捕球したが、一塁へ悪送球。この間に三塁走者が生還し、失点を許した。3回の失策は記録が安打でも不思議ではなかった。4回もきっちり一塁に投げていてもタイミングはセーフだった可能性が高い。だが、門脇は厳しい表情を浮かべていた。追い求める理想が高いだけに納得できなかったのだろう。

遊撃守備で心掛けていること


 昨季は5失策と守備での安定感が際立っていたが、遊撃のレギュラーで出場し続けている今季は心身の疲労が格段に違う。今年2月に週刊ベースボールで、遊撃の守備について以下のように語っていた。

「不安がないわけではありません。逆シングルはちょっと多めに練習してきましたし、グラブもどの角度がいいかというのは自分なりに考えてやっています。握り替えも得意ではないですし、捕球の形もまだまだあまり良くない。昨年の侍ジャパンのときに井端(井端弘和)監督にいろいろお聞きして、イメージしながらやってきました」

「ボールを捕るときに背中がめちゃくちゃ伸びてしまうんですよね。だから、(井端監督の助言で)『ちょっと力を抜くくらいでいい』というのはすごく意識しています。井端監督がよくおっしゃっている『脱力』ですね。

 不動の遊撃として長年活躍した坂本が守備にお手本であることは変わらない。「試合中でも練習中でも、ずっと見ておかないといけない方だと思いますし、見ているだけで得るものがある。そこは貪欲に吸収していきたいです。打球の予測もそうですし、やっぱりグラブさばきが全然違う。あれくらい試合中でも力を抜いてプレーできたらいいなと思います」と明かしていた。

 昨季のゴールデン・グラブ賞は一塁・大山悠輔、二塁・中野拓夢、三塁・宮崎敏郎、遊撃・木浪聖也で、他のポジションを含めて巨人からは8年ぶりに1人も選出されなかった。今年は守備能力が高い内野の4選手が独占できるか。

写真=BBM
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