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【大学野球】荒木大輔氏が城西国際大コーチ就任 早実先輩と「コンビ再結成」で19年秋以来のリーグ制覇へ

 

「学生の力になりたい」


荒木氏[左]が城西国際大のコーチに就任した。右は早実で2学年先輩の城西国際大・佐藤監督[写真提供=城西国際大学硬式野球部]


 1980年以来の「コンビ再結成」である。

 城西国際大は5月22日、硬式野球部コーチに荒木大輔氏(元ヤクルト、横浜)が就任することを発表した。

 同野球部を2021年11月から指揮する佐藤孝治監督は、早実出身。3年夏(1980年)の甲子園で正捕手として準優勝した際、1年生エース・荒木氏とバッテリーを組んだ。

 荒木氏は1回戦から5試合に先発して4完封。横浜高との決勝で初回に失点されるまで、44回1/3連続無失点と快投を続けた。荒木氏は同夏から3年夏まで、5季連続フルで甲子園の土を踏み、通算12勝5敗。悲願の全国の頂点には届かなかったが「甲子園5敗」は一つの勲章であると、かつて語ったことがある。

佐藤監督は早実時代、守りの要として本塁を死守。横浜高との決勝で敗退したが、1年生投手・荒木の良さを最大限に引き出した[写真=BBM]


 1年夏。荒木氏はアイドル的な人気を集めた「大ちゃんフィーバー」は、空前の社会現象となった。大会期間中はあまりの騒ぎで、宿舎からの外出もできず……。そうしたストレスを和らげたのが、マスクをかぶった佐藤監督ら3年生。荒木氏は先輩からかわいがられ、守りたくなるキャラクターだったのである。

 あの夏以来、44年ぶりに同じユニフォームを着て、今度は指導者という立場でグラウンドに立つ。佐藤監督の父・佐藤孝夫氏がヤクルトでの一軍打撃コーチ時代に、荒木氏が投手として在籍していたという深い縁もある。

荒木氏は端正なマスクで、女性ファンから絶大なる人気を集めていた[写真=BBM]


 就任の経緯はこうだ。佐藤監督は今年3月末、水面下でオファーを出すと、先輩からの就任要請に、荒木氏はすぐに快諾したという。

「4学年で部員167人。指導者は私と田中コーチ(田中成明)の二人体制であり、投手指導をお願いいたしました。月に7〜10日は来ていただく予定です。プロの世界でも指導実績が十分であり、期待しています」(佐藤監督)

 5月21日。荒木氏は千葉県東金市内にある城西国際大の活動拠点・水田記念球場で初指導を行った。「還暦にして(今年5月に60歳)、大学の現場は初めてですが、学生の力になりたいです」と抱負を語っている。リーグ戦等でベンチには入らず、グラウンドでの指導がメインとなる。チームは今春リーグ戦3位。佐藤監督就任以降、着実に成果を収めており、荒木氏の就任も一つのきっかけにしたいところ。すでに秋のシーズンに向けて練習をスタートし、19年秋以来の千葉県大学リーグ制覇へ、荒木氏の手腕が注目されるところだ。

文=岡本朋祐
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