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中日が交流戦の優勝候補? パ・リーグ球団から「手強い存在」警戒が

 

チーム力は間違いなく底上げ


7回1/3を4安打無失点と高橋宏の好投もあり、交流戦初戦の西武戦を3対0と中日は快勝した


 交流戦は順位が大きく変わる可能性がある。下位に低迷している球団は巻き返しのチャンスと言えるだろう。中日は交流戦初戦となった5月28日の西武戦(バンテリン)で3対0と快勝。3回に田中幹也のスクイズなど2点を先制すると、4回はディカーソンの2号右越えソロで突き放した。投げては先発の高橋宏斗が8回途中まで4安打無失点の好投で今季2勝目。手堅い試合運びで借金1と勝率5割が見えてきた。

 パ・リーグ球団の首脳陣は、最も警戒する球団として中日を挙げる。

「メンバーがガラッと変わったからね。中田翔、ディカーソン、昨年公式戦に出ていない田中幹也が戦力になり、細川成也村松開人石川昂弥が成長の跡を見せている。高橋周平も春先に状態が良かったし、故障から戻ってきたら間違いなく戦力になる。もともと投手陣はいいチームなので、手強い存在になると思いますよ」

交流戦初戦の西武戦で2号ソロを放ったディカーソン。打撃の状態は上がっている


 貧打による得点力不足が低迷の大きな原因になっていたが、選手層が厚くなりチーム力は間違いなく底上げされている。一塁は中田翔とビシエド、三塁は石川昂と高橋周、二遊間は田中と村松のコンビが多いが、山本泰寛カリステが控えている。外野も上林誠知の加入で定位置争いが熾烈に。129得点はリーグ5位だが、上位球団と大きな差はない。立浪和義監督は十分に戦える手ごたえをつかんでいるだろう。

ファンも語る今年の手応え


 熱狂的な中日ファンで知られるお笑い芸人の井戸田潤は、週刊ベースボールのコラムで今年の手ごたえを語っている。

「打線で言えば、田中幹也選手と三好大倫選手の2人には頑張ってもらいたい。田中選手の守備範囲は広くて、抜けると思った当たりでもそこにいる。三好選手はもっと使ってもらいたいですね。村松開人選手は、もう覚醒したと言っていいでしょう。2年前の岡林勇希選手のような感じです。遊撃の守備も堅実で伸びしろも感じますし、あの打撃があれば十分。でもどうして急にあれだけ打てるようになったんだろう? ちょっと聞いてみたいですよね。だから二遊間は田中&村松選手の同期コンビがベストだと思います。開幕スタメンで遊撃にクリスチャン・ロドリゲス選手を使ったときは、ここ数年のドラフトは何だったのかと思いましたけど、そこをスパッと変えたのが、序盤の快進撃につながったとも言えるでしょうね」

大島洋平選手は得点圏打率の低さを指摘されますけど、それでも出ればしっかりと打ちますし、上林誠知選手も滅多に笑わず、苦労人の味がして好きなんですよね。あと木下拓哉選手の打撃の調子がなかなか上がってこないのが心配。数年前まであった意外性というか、ここ一発の打撃が今年はまだ見られない。あとビシエドですよ! どうして二軍なんですか。代打で置いておけば怖いのにと思うんですが……。石川昂弥選手は大好きな選手で期待もしているんですが、ブレークは来年以降と踏んでいます。今年はその基礎固めの年にしてほしいですね。まだ22歳なんですから!」

交流戦を勝ち抜くキーマン


岡林が復調すれば打線はさらに強力になっていく


 交流戦でキーマンになる選手の一人が岡林勇希だろう。外野の定位置をつかんだ2022年に打率.291、24盗塁をマークし、最多安打(161本)のタイトルを獲得。昨年も不動のリードオフマンとして163安打を積み上げたが、今年は右肩の炎症で出遅れて開幕二軍スタートに。4月19日に一軍昇格したが、30試合出場で打率.174と本来の状態に程遠い。

 昨年の交流戦では18試合出場し、打率.333、1本塁打、5打点、3盗塁の好成績をマーク。背番号が60から1に変わった今年はチームを背負って立つ選手として活躍が求められる。野球評論家のデーブ大久保氏は「今年から『1』の背番号を背負う岡林勇希が一番にいることは非常に大きいです。デーブ的には阪神近本光司にも引けを取らない一番打者です。まだまだ若いですから、近本以上の一番打者になる可能性は高いですし、キャンプを見ていても『1』の風格が出てきているなあ、と感じました」と週刊ベースボールのコラムで期待を寄せていた。

 岡林がダイヤモンドを疾走し、チャンスメークできれば得点が入る可能性が高まる。交流戦で復調のきっかけをつかめるか。

写真=BBM
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