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【社会人野球】悲願の“東京ドーム切符”獲得はならずも確かな足跡を残したJPアセット証券

 

初めて東京二次予選に進出


JPアセット証券は一時、1点差にまで追い上げたものの、終盤に引き離され、無念の敗退となった[写真=矢野寿明]


【6月5日】都市対抗東京二次予選第4代表決定戦(大田)
JR東日本6-2JPアセット証券

 2019年創部のJPアセット証券は創部6年目で、初の東京二次予選で代表決定戦進出を遂げた。東京地区の代表枠は「4」。ラスト1枠を争ったJR東日本との第4代表決定戦で惜敗(2対6)した。悲願である東京ドーム切符はならなかったが、新興企業チームは確かな足跡を残した。

 JPアセット証券は20年に初めて東京二次予選に進出。同年と21年は第1代表決定トーナメント1回戦と第2代表決定トーナメント1回戦で連敗して敗退。22年は第1代表決定トーナメント1回戦敗退後、第2代表決定トーナメントでクラブチームを相手に初勝利を挙げた。しかし、同2回戦でJR東日本、第4代表決定トーナメント1回戦で明治安田生命に敗退。23年も第1代表決定トーナメント1回戦で敗退後、第2代表決定トーナメントでクラブチームに勝利も、同2回戦でNTT東日本、第4代表決定トーナメント1回戦でセガサミーに敗退。過去5年は都市対抗常連の企業チームの厚い壁に阻まれてきた。

入社1年目の左腕・沖田は6回途中で降板も、Hondaを相手に完封した快投は、相当なインパクトを残した[写真=矢野寿明]


 24年は飛躍を遂げた。第3代表決定トーナメント3回戦で、今年から南関東から東京に参戦したHondaから金星(1対0)。左腕・沖田龍之丞(日本経済大)が名門チームを相手に5安打完封した。同4回戦でJR東日本に敗退。あとがない状況となった第4代表決定トーナメント3回戦では、鷺宮製作所に1点差で勝利。強豪2チームを撃破して、ついに、第4代表決定戦へと駒を進めたのである。

DeNA度会隆輝の兄・基輝は中央学院大からら入社3年目。9回表の守りから一塁に入った[写真=矢野寿明]


 しかし、本大会へのハードルは高かった。相手は昨年まで14年連続出場のJR東日本。先発の左腕・沖田は6回途中3失点で降板した。打線は6回裏に2点を返して1点差とするも、反撃はそこまで。JR東日本は終盤に加点して突き放し、15年連続27回目の出場を決めた。JPアセット証券は最後まであきらめない姿勢を見せるも、力及ばなかった。

 安藤信二監督(佐伯豊南高、元西武ほか)は就任2年目、着実に力をつけてきた。今季からチーム運営を担う岩本淳太GM(広陵高-上武大)も、同社野球部のために情熱を傾けており、一歩一歩、前進している。代表決定戦のプレッシャーは、経験しなければ味わえない。24年、JPアセット証券は新たなステージへと足を踏み入れたことは間違いない。
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