土俵際の大一番
JR東日本は15年連続27回目の都市対抗出場を決めた[写真=矢野寿明]
【6月5日】都市対抗東京二次予選第4代表決定戦(大田)
JR東日本6-2JPアセット証券
JR東日本は2010年から続く、都市対抗の歴史をつないだ。
JPアセット証券との東京二次予選第4代表決定戦。東京地区の代表枠は「4」。つまり、負ければ敗退、勝てば東京ドーム切符という土俵際の大一番だった。
先発は今予選で初先発の
西田光汰(大体大浪商高)。チームで最も信頼の厚い入社8年目右腕が、大事な一戦のマウンドを託された。
前日の第3代表決定戦(対東京ガス)は4対4のまま9回で決着がつかず、タイブレークへ(無死一、二塁からの継続打順)。JR東日本は10回表に3人の打者が凡退し無得点。その裏、東京ガスの攻撃で、先頭打者にきっちりと犠打を決められ、一死二、三塁と絶体絶命のピンチを迎える。ここでJR東日本・浜岡武明監督(駒大)は守護神・西田を四番手に送った。ところが、次打者にバント安打を決められ、無念のサヨナラ負けを喫した。
試合終了から21時間26分後、西田はマウンドで疲れも見せずに躍動した。あとがない試合であったが、百戦錬磨の26歳は持ち味である気合十分の投球を披露。7回途中2失点に抑え、左腕・西居建陽(中部学院大)につなぎ、試合を締めた。打線は4回表に押し出しで先制すると、6回表には海崎雄太(法大)が2点適時打で3対0。粘るJPアセット証券に6回裏、1点差とされるも、7回表は
佐藤拓也(立大)の2点タイムリー、8回表には
杉崎成輝(東海大)の適時打で突き放した。
2019年12月からJR東日本を指揮する浜岡監督にとっても、5年連続での代表権である[写真=矢野寿明]
JR東日本を19年11月まで率いた堀井哲也監督(慶大監督)は、10年から19年まで10年連続都市対抗出場へ導き、後進へ道を譲った。19年12月からチームを指揮する浜岡監督は連続出場の重圧と戦いながらも、就任から5年連続での東京ドーム切符。22、23年は東京一次予選から出場という厳しい状況も気力で乗り越え、土壇場での強さを見せてきた。
予選で苦しんだ分だけ、東京ドームの本大会では相手に屈しない底力がある。22年は都市対抗8強、23年は4強。JR東日本は着実にステップアップしており、今年はもちろん、11年以来、2度目の黒獅子旗を狙う。