高橋由伸氏の直接指導

【侍ジャパン大学代表直前合宿】
▽練習試合
U-23代表候補5−4大学代表
[7月1日　バッティングパレス相石スタジアムひらつか]

　第43回プラハ・ベースボールウイーク2024(7月6〜9日、チェコ)と第31回ハーレム・ベースボールウイーク2024(同12〜19日、オランダ)に出場する2024年の侍ジャパン大学代表の直前合宿が6月29日から神奈川県内の球場で実施されている。7月1日は選考合宿中の侍ジャパンU-23代表候補との練習試合を行った。侍ジャパンU-23代表候補が5対4で勝利している(特別ルール。10回表裏はタイブレークの練習)。

「一番・中堅」で起用された 飯山志夢(立正大4年・中央学院高)は斬り込み隊長としての役割を果たした。1回裏、相手投手の初球をきれいに流して左前打。4回は右翼への三塁打コースだったが、相手の中継プレーに阻まれタッチアウト(記録は二塁打)。7回には左二塁打を放った。

　なぜ、侍ジャパン大学代表としての対外試合初戦で3安打と大暴れできたのか。

　6月30日、7月1日に侍ジャパン大学代表の臨時コーチを務めた高橋由伸氏(慶大OB、巨人元監督)による直接指導が大きかった。

「昨日(6月30日)、タイミングとインコースの打ち方を教えていただいたんです。どうしても内角球に対してはドアスイングになるので、右肘の抜き方の助言を受けました。積極的に振ることと、真っすぐに負けないスイング。第1打席から良いところに飛んでくれたので良かったです。大学日本代表の一番打者をずっと、目標にしてきました。自分は監督、コーチの期待に応えられるようにやるだけです。今日、結果が出たからと言って満足せず、しっかり準備していきたいと思います」

　高橋臨時コーチは「流すも、引っ張るも、良いバッティング。スピードもある。肩も魅力的」と、父譲りのポテンシャルを絶賛した。

父は内野の「守備職人」

　立正大は今春、東都大学二部リーグ最下位。侍ジャパン大学代表合宿は6月22日から3日間の日程で行われたが、飯山は2日目(23日)を終えた段階でチームへ戻った。25日から始まる順天堂大との二部三部入れ替え戦を考慮され、最終日は免除されたのだった。24日に24人の代表入りが決まり、入れ替え戦を2連勝で二部残留。飯山は中2日で直前合宿に参加するという、超過密日程だった。

「この春、僕たちが目指していたのは二部優勝、一部昇格だったので……。最低限、残ることができたので、侍ジャパンへ気持ちを切り替えて来ています。この秋は一部昇格が目標ですが、東都二部は各校、レベルが高い。まずは二部優勝へ向け、練習していきたい」

　父・裕志(飯山裕志)さんは日本ハムで内野の「守備職人」として活躍。飯山は「プロ志望」を明言する。

「お父さんは20年間、守りを持ち味に現役生活を続けてきた人なので、考え方としては、自分にも染みついているものがある。お父さんは守備でしたけど、僕は打撃、外野守備、走塁とバランスの取れた選手を目指しています。出塁にこだわり、ダイヤモンドをかき回し、守備では球際での強さを意識し、送球でゲームの流れを変える。走攻守の3つで、職人みたいなことができたらいいと思います」

　侍ジャパン大学代表の不動のリードオフマンとして、飯山は日々、存在感を増している。

文＝岡本朋祐