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真夏の祭典いざ開幕! 第95回都市対抗野球大会

【都市対抗】三菱重工West・竹田祐 勝負のマウンドへ

 

第95回都市対抗野球大会は7月23日に大会5日目を迎える。第1試合は三菱重工West(神戸市・高砂市)と前大会4強の王子(春日井市)が対戦。三菱重工Westの先発起用が予想されるのが竹田祐(明大)だ。2度のドラフト指名漏れを経た右腕は、自らの好投でチームに勝利を導く決意だ。
取材・文=小中翔太

近畿地区第3代表決定戦では8回2失点[自責1]の好投でチームを本大会出場に導いた


 安定感、ゲームメーク能力の高さは社会人屈指。どの球種でもストライクが取れて再現性が高い。入社3年目の竹田祐について、津野祐貴監督(日体大)も「状態が悪くても試合を作ってくれる、失点が計算出来るピッチャーでもありますし、負けない投手と言いますか勝ちを持ってきてくれる投手かなと思います。完成度が非常に高くてすべてのボールが高いレベルで投げることが出来ますし、あとは状態を上げていくことだけやってほしいなと思います」と厚い信頼を寄せる。

 完成度の高さは入社1年目から際立っていた。2022年、日本選手権1回戦のJFE西日本戦で2安打完封。二塁を踏ませない完璧な内容だった。準々決勝のENEOS戦でも9回1失点と好投した。竹田自身も「1年間やってきたことが京セラドームの舞台で出せたので、しかも3試合投げさせてもらって(先発した)2試合とも9回投げたので自信にはなりました」と手応え十分だった。

 しかし、勝負の2年目は悔しいシーズンとなってしまった。「春先は良かったんですけど夏前にガタっと落ちてしまって何も分からないまま都市対抗が終わってしまった感じでした。(原因は)あんまり分からないんですけど、フォームのバランスが崩れたまま終わっちゃいました。下半身が全然使えてなかったのでそこかなと思います」。

 昨夏の都市対抗では初戦のJR東日本戦の先発マウンドに立ったが4回途中5失点と奮わずチームも敗戦。上位候補と見られていたドラフト会議でも名前を呼ばれなかった。「大学4年生のときも指名漏れを経験して2年で絶対プロ行くって決めていたんですけどそれもダメで、何か変えないといけないなと思いました。ヘコむというよりそんな評価なんだなと思いました」。

「都市対抗で勝つことが最優先」


 ドラフト後の日本選手権では登板なし。敗退翌日、チームはオフだったが竹田はこの日から3年目へ向けて始動した。目指したのは下半身主体のフォーム。元々ストイックで思考力にも優れるタイプだったが悔しさを味わったことでこれまで以上の気迫をみなぎらせるようになった。「意識の高さ、野球に対する取り組みは入社時から向上心の塊と言いますか、自分がうまくなるためならどれだけでも練習する選手だったんですけど、それにプラスαで今年は絶対にプロに行くというような意思を感じます」と津野監督。ストレートの質の高さはもちろんのこと今年はフォークの精度が向上し奪三振率が向上している。

「大学4年のときは150キロを超えなかったんですけど、今は普通に超えるようになってきて常時140キロ後半出るようになってきているんで、球速帯と安定した制球が成長してるかなと思います。去年とはすべて違うと思うので、去年は都市対抗でボコボコに打たれて悔しい思いしたので今年は1つでも多く勝てるように頑張りたいです。自分が入って2年連続1回戦負けなので今年は1回でも多く勝ちます。都市対抗で勝つのが最優先で勝てば評価されると思うので、目の前の一戦に集中してやっていきたいです」(竹田)

 本来であればなかったはずの『3度目』の都市対抗。誰もが認める結果を残し、これがまわり道ではなく最短距離だったことを証明する。

昨年のリベンジを期す本大会。まずは自身初の都市対抗1勝を狙う


PROFILE
たけだ・ゆう●1999年7月5日生まれ。大阪府出身。184cm90kg。右投右打。住道南小2年時にオール住道で野球を始め、住道中では生駒ボーイズでプレー。履正社高では2年秋からエースで大阪大会準優勝、近畿大会優勝、明治神宮大会優勝。3年春のセンバツ準優勝。明大では東京六大学通算39試合、11勝5敗、防御率2.54。22年に三菱重工Westに入社。最速153キロ。変化球はカーブ、スライダー、フォーク。
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