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【大学野球】大学ジャパンが優勝会見 強さに加え、人格が備わった最強チーム

 

MVPを獲得した西川、小島


青学大・西川はプラハベースボールウィークでMVPを受賞した[写真=BBM]


 侍ジャパン大学代表が7月21日に帰国した。第43回プラハベースボールウィーク(チェコ)で優勝を遂げ、第31回ハーレムベースボールウィーク(オランダ)で2大会ぶり5度目の優勝。2大会を通じて14日間で11試合を消化するという過密日程だったが、「11戦全勝」と充実の海外遠征となった。21日に東京都内のホテルで優勝会見が行われた。

 まず、プラハベースボールウィークでMVPを受賞したのは西川史礁(青学大4年・龍谷大平安高)である。ドイツとの予選リーグ初戦で本塁打を放つなど、4試合で18打数8安打5打点と、二番打者として躍動した。2年連続で優勝を遂げた全日本大学選手権から、侍ジャパン選考合宿、代表入り後の直前合宿を通じて、調子がなかなか上がらなかった。

「堀井(哲也)監督(慶大監督)に打撃指導をしていただいて、僕の中では、それがすべてだと思っていますし、貴重な時間でした。堀井監督に感謝の気持ちでいっぱいです」

 西川はハーレムベースボールウィークでも全7試合を二番で先発し、30打数9安打5打点。今回の遠征では全11試合で安打を放ち「思い描いていた以上の数字を残すことができ、うれしい気持ちです」と笑顔を見せた。

明大・小島はハーレムベースボールウィークでMVPを受賞した[写真=BBM]


 ハーレムベースボールウィークでMVPを受賞したのは小島大河(明大3年・東海大相模高)である。プラハベースボールウィークでは2試合の途中出場のみだったが、オランダへの移動後に調子を上げ、開幕は八番だったが、途中から5試合、四番として存在感を発揮。捕手、DHで出場し26打数12安打、打率.461、1本塁打、10打点とけん引した。

「素晴らしい賞をいただけたことを、うれしく思っています。自分だけの力では、どうにもできなかったので、監督、コーチ以下、チームスタッフなど周りの方々に支えられ、チームメートからもたくさんの声をかけてもらい、心から感謝しています。前の打者が出塁してくれたからこそ、自分も良い場面で力を出すことができました。何よりも、チームが優勝できたことを、うれしく思っています」

試合をつくった投手


愛知工大・中村[左]と中京大・高木[右]は愛知大学リーグでライバル校同士。3年生・高木はドラフト1位候補である4年生・中村から多くを学んだ[写真=BBM]


 台湾との準決勝で1安打完封したのは、高木快大(中京大3年・栄徳高)である。中京大と同じ愛知大学リーグで覇権を争う間柄である、愛知工大の159キロ右腕・中村優斗(愛知工大4年・諫早農高)について触れた。

「同じリーグの先輩ということで、何度も対戦させていただいている。すごいピッチャーであることが分かっている中で、自分が準決勝で負けてしまったら、中村さんが3位決定戦の先発になる。中村さんに、3位決定戦で投げさせるわけにはいかない。そこが自分の中で強くあって、体現することができました。チームの勝利につなげられて、決勝で中村さんが先発できたので良かったです」

 アメリカとの決勝。相手チームを見た高木は、特別な感情が芽生えていた。

「予選リーグで戦ったときのアメリカと、決勝で対戦したアメリカは違うようなチームに感じました。試合前の雰囲気とゲーム中、プレーボールとなってからの雰囲気。『やる!!』と決めたときの選手の気持ちの切り替えが、印象に残っています」

 頂点をかけたアメリカとの決勝で先発した中村は5回4失点とゲームを作った。味方が6回に逆転。プラハベースボールウィークでは救援で2試合に登板し、台湾との決勝では胴上げ投手。ハーレムベースボールウィークも、スペインとの予選リーグでは最後を締めた。堀井監督は決勝の先発は背番号18を着ける「日本のエース」と決め込んでいたという。

「最後の決勝の先発を任され『自分が投げるしかない!!』という強い気持ちで臨みました。打たれはしましたが、打線が逆転してくれて、ここまで頑張ってきて良かったな、と思いました。2つの国際大会で良い経験をさせていただいたので、秋のリーグ戦、これからの野球人生につなげていきたいです」

早大・印出が主将として24人の代表チームを束ねた功績は大きい[写真=BBM]


 最後に24人を束ねた主将・印出太一(早大4年・中京大中京高)である。本塁を死守する捕手であり、司令塔の貢献度は絶大だった。

「堀井監督に任せていただいて、野球人として成長するきっかけ、新しい引き出し、材料をいただいた。野球の部分でも、海外の投手のレベルの高さであったり、いろいろなものを吸収することができました。この経験は自分だけのものではなく、自チームに落とし込むことはもちろんですが、野球界の発展につながるアクションを起こしていきたいです」

 代表メンバーの全24選手が自立しており、大人のチームだった。堀井監督以下、安江均コーチ(名城大監督)、森本吉謙コーチ(仙台大監督)、鳥山泰孝コーチ(国学院大監督)のベンチワークも、2大会における優勝の一因である。侍ジャパン大学代表は強さに加え、人格が備わった最強チームだった。

文=岡本朋祐
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