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メジャーが熱視線 「通算355勝のレジェンドと重なる」日本ハムの右腕は

 

先発で安定感ある投球


先発ローテーションでチームの上位進出に貢献している金村


 もはや一過性の勢いではない。2年連続最下位からの巻き返しを狙う日本ハムが8月15日のロッテ戦(エスコンF)で6対1と快勝し、2位を争うロッテに2勝1敗とカード勝ち越し。貯金を今季最多の12に増やした。若手の台頭が光る中、先発の柱になっているのが大卒2年目の金村尚真だ。

 今季は救援要員で開幕を迎え、10試合登板で防御率0.63をマーク。5月8日のソフトバンク戦(みずほPayPay)に先発転向後も安定した投球を続けている。打線の援護に恵まれずに4連敗を喫した時期があったが、7月以降は4連勝。10試合連続クオリティスタート(先発で6回以上投げて自責点3以下)を記録した。

 8月6日の楽天戦(楽天モバイル)は9回6安打1失点の好投で5勝目をマーク。8回を投げ終えて87球で無失点だったため、100球未満での完封勝利を形容する「マダックス」への期待がかかったが、9回に1点を失って快挙を達成できず。それでも、きっちり9回を投げ切った右腕の力投に打線が応えた。延長10回に万波中正が右翼に満塁弾を放ち、金村に白星がついた。

 8月13日のロッテ戦(エスコンF)は6回7安打4失点で5敗目。ロッテ戦は今季5試合登板で防御率3.79と対戦カードで最も相性が悪いが、投球内容は決して悪くなく悲観する必要はないだろう。

新人王の可能性も十分


 沖縄出身の「夏男」は週刊ベースボールの取材で意外な思いを口にしている。

「夏の暑さは得意だったんですけど、いつの間にかきつく感じるようになってしまいました。出身が沖縄なので日差しの強さにも慣れていたんですけど、去年は夏を鎌ケ谷で過ごしていたら暑過ぎてちょっとバテちゃったんです。高校は岡山だったのでまだ暑かったですが、大学時代は岩手で過ごしましたし、今は北海道で過ごすことが多いので、なんかぬるま湯につかってしまったような感じで(笑)。関東での夏場のゲーム中は本当にいろいろ工夫して、夏バテしないようにやっています。やっぱり水分補給はしっかりと。あとは水だけじゃなくてサプリなどもしっかり摂取するようにとトレーナーさんからも言われています」

 プロ1年目の昨季は4月に右肩痛で長期離脱し、9月に復帰して4試合登板で2勝0敗、防御率1.80。投球回数が25イニングにとどまったため、今季も新人王の資格がある。西武のドラフト1位左腕・武内夏暉が14試合登板で7勝3敗、防御率1.93とチームが最下位に低迷する中で奮闘し、新人王の最有力候補だが規定投球回には到達していない。金村は23試合登板で5勝5敗6ホールド、防御率2.26。プロ2年目と新人投手の違いを差し引かなければいけないが、シーズン最後まで先発ローテーションで投げ抜けば規定投球回に到達できる計算で、タイトル受賞の可能性が十分にある。

抜群の制球力


 パ・リーグは宮城大弥(オリックス)、佐々木朗希(ロッテ)、平良海馬(西武)、伊藤大海(日本ハム)などメジャーが注目する好投手がそろっているが、金村もその一人だ。アメリカで取材するスポーツ紙記者はこう語る。

「アメリカのスカウトが印象に残った投手として、金村の名前を挙げていました。抜群の制球力でスプリット、カットボール、スライダーを操るクオリティーに驚いていましたね。『彼はグレッグ・マダックスみたいだ。すごい投手になるよ』と絶賛していました」

 マダックスはメジャー通算355勝をマーク。サイ・ヤング賞を4年連続受賞したほか、最多勝3度、最優秀防御率4度獲得した。抜群の制球力で「精密機械」の異名が。金村も生命線は制球力だ。富士大ではリーグ戦通算36試合登板し、25勝5敗、防御率は0.87で236回1/3を投げて260三振を奪い、与四死球率0.99と圧倒的な安定感を誇った。

 プロの世界でも四球から崩れることはない。今季は103回1/3を投げて18四球。抑える術を知っている右腕は誰もが認める大黒柱だ。

写真=BBM
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