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【大学野球】思わぬ「掘り出し物」にスカウト興奮 高校で山下舜平大と同級生の法大・山城航太郎

 

リーグ戦デビューは3年秋


法大・山城は力強いストレートと落差のある変化球で、相手打者を圧倒することができる[写真=矢野寿明]


【9月22日】東京六大学リーグ戦
立大7-4法大(立大1勝1分)

 今春までの登板は、5試合で未勝利。実績はほぼないが、春のリーグ戦を視察したNPBスカウトは「面白いです。追いかけていきたい」と真剣な表情で語っていた。実は視察の目的は157キロ右腕・篠木健太郎と151キロ左腕・吉鶴翔瑛も、思わぬ「掘出し物」に、同スカウトが興奮気味だったのを思い出す。

 その名は本格派右腕・山城航太郎(4年・福岡大大濠高)である。高校時代は外野手、遊撃手をこなしながら、149キロ右腕としても注目された。強豪校を率いた主将は、バットでも存在感を発揮し、高校通算20本塁打超。「投打二刀流」として脚光を浴びてきた。

 同級生には、2020年のドラフトでオリックス1位指名を受けた山下舜平大がいた。「プロでの結果も見ている。意識の高さが、刺激になっている」。法大に進んだ山城は、同級生の活躍を発奮材料に、レベルアップを努めてきた。リーグ戦デビューは3年秋の遅咲き。

 今秋は立大2回戦が今季初登板だった。法大は4点を追う4回裏に2点差(2対4)としたが、5回表に3失点。なおも、一死二塁のピンチで三番手で山城が救援すると、後続2人を抑えた。6回表も無失点に抑えて、この回で降板。終盤の反撃に望みをつなぐ、貴重な働きを見せた(結果は4対7)。

「チームのために、と投げていけば、自然と結果がついてくる。ピンチの場面でフォーク、曲がり球で三振を取る。この夏は指の力を鍛えてきました。イメージ通りの投球ができました。走者を背負った場面のほうが燃える」

 最速154キロはプロ志望届を提出する。キャリアは少ないが、プロ関係者は結果以上に、潜在能力をチェックしている。球威、変化球のキレとも将来性と伸びシロを感じさせる山城。スカウティングの腕の見せ所である。

文=岡本朋祐
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