追い込まれてからも粘れる
法大・姫木は開幕から2戦連続で3安打を放ち、打率.750とした[写真=矢野寿明]
【9月22日】東京六大学リーグ戦
立大7-4法大(立大1勝1分)
開幕2試合で8打数6安打。法大の七番・姫木陸斗(4年・日大藤沢高)は立大1、2回戦で、ともに3安打と好調ぶりを見せている。
法大・
大島公一監督は「これだけ打つ選手が七番にいるのは、打順は悪いのか……(苦笑)。(3回戦以降は)考えます」と口にした。
初めて規定打席に到達した今春は打率.289。4試合で複数安打を記録し、明大3回戦では初本塁打を放った。3安打はこの秋が初めてである。ポテンシャルが高く、大学卒業後は社会人野球でプレーを継続する。
なぜ、バットが振れているのか。
「勝ちたいと思っているからこそ、です。春まではチームの勝利を目指しながらも長打、本塁打と個人的な成績を意識していた。夏場はチームのために勝ちたいという意識をより強く持って、練習してきました。チャンスでは、走者をかえす。走者がいない場面では、起点になって好機をつくる。状況に応じたバッティングを徹底してきました」
今春は10三振を喫した。課題克服のために「ローボールの変化球を見極める練習をしてきた」と、追い込まれてからでも粘れる。
チームは1回戦で引き分け、2回戦を落とした。10分の取材時間で、姫木に笑顔はない。
「(凡退した)4打席目の捕邪飛がヒットならば……。単打でなくて、長打が出ていれば……。そこ(3安打)に対する満足感はない」
姫木には、ここまでチームをけん引してきた左右の両輪に対する特別な思いがある。
「篠木(
篠木健太郎、4年・木更津総合高)と吉鶴(
吉鶴翔瑛、4年・木更津総合高)の投手陣に任せきりだった。今度は打撃陣が意地を見せたい。必ず、勝ち点を取ります」
法大としては3、4回戦で立大に連勝し、逆転での勝ち点奪取を狙う。2020年春以来遠ざかるリーグ優勝へ、土俵際の戦いが続く。
文=岡本朋祐