最高潮の状態の安打製造機

立大2回戦では4安打。2年秋の早大2回戦で5安打を放って以来の固め打ちである。10月13日時点で、打率.444でリーグトップに立った。写真は6回裏の三塁内野安打[写真=矢野寿明]
【10月13日】東京六大学リーグ戦第5週
明大8-1立大(1勝1敗)
バットに当たればヒット。明大・
宗山塁(4年・広陵高)は手が付けられなくなってきた。
慶大1回戦から5試合連続安打。立大2回戦では4安打の固め打ちで、打率.444(27打数12安打)として、リーグトップに立った。明大は1回戦を落としたが、この2回戦で8対1の大勝で雪辱。勝ち点勝負の決着は、3回戦へともつれ込むこととなった。
「良いときは、どんな形でもヒットコースに飛んでくれる。理想はしっかりととらえたヒットが良いですが、それも強みかと思います」
バットのヘッドが下がらず、スイング軌道が良いから、仮に芯に当たらなくても、自然とヒットゾーンに飛んでいく。自分の間でボールを待てるため、変化球にも崩されず、追い込まれてからは、ファウルで粘ることができる。相手バッテリーを揺さぶり、自身のペースへと持ち込むことができるのである。
今秋のドラフトの超目玉は、すでに
広島が1位指名を公表。1位入札競合は間違いないと言われ、安打製造機は最高潮の状態にある。
この日の4安打を積み上げ、歴代18位の通算110安打とした。広陵高の先輩で早大・
上本博紀(元
阪神)の109安打を上回った。
「偉大な選手の数字を超えることができ、素直にうれしい。もっともっと、できると思っている。打率トップ? 詳しくは知りませんでした(苦笑)。良い結果を残すことに越したことはない。状況によって与えられた役割を意識している。後ろには良いバッターがいるので、自分で決めに行かなくても、得点の可能性は高まる。(チャンスでの)大事な場面での一本にこだわっていきたいです」
3回戦はV戦線に残る上でも、大一番である。首位・早大は開幕から3カード連続で勝ち点を挙げている。明大も東大戦、慶大戦に続いて勝ち点3を積み上げ、次週(第6週)の早大との直接対決に弾みをつけたいところだ。
明大は開幕から7試合でノーエラーである。遊撃手・宗山がセンターラインを引き締める。
「こっちからスキを作らない。攻撃は長く、守備は短く。1球を大切にやってきました。確認の声がけも徹底している。取れるアウトをきっちり取っていきたいと思います」
逆境に追い込まれてから、粘りを発揮するのが、明大の伝統である。背番号10。東京六大学のキャプテンナンバーを着ける宗山の存在感は、日に日に増している
文=岡本朋祐