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【大学野球】東大戦で今季3号も敗戦 チームを背負う覚悟を持つ法大・松下歩叶

 

相当強い勝負へのこだわり


五番・三塁の法大・松下は1点を追う2回表、先頭打者で左越え同点ソロ。前日からの2戦連続本塁打である[写真=矢野寿明]


【10月13日】東京六大学リーグ戦第5週
東大3x-2法大(1勝1敗)

 2試合連続本塁打も、チームの勝利につながらなかった。松下歩叶(3年・桐蔭学園高)は東大1回戦で3安打6打点と、16対0の先勝に貢献。2回戦は1点を追う2回表、東大のサブマリン・渡辺向輝(3年・海城高)から今季3号の同点ソロを放った。試合は接戦の展開となり9回裏、2対3でサヨナラ負けを喫した。

 対戦成績は1勝1敗のタイとなり、試合後、松下は厳しい表情で本塁打を振り返った。

「(渡辺投手とは)8月の東京六大学オールスター(北海道)で一度、対戦している。球速以上にボールが手元で伸びてくるので、詰まらないように、前でさばくようにしました」

 松下は3年生ながら、勝負へのこだわりが相当強い。第2週の立大4回戦では、延長13回裏にサヨナラ本塁打を放ち、勝ち点奪取(2勝1敗1分)に貢献。ところが、第3週の早大戦では、3試合で10打数2安打1打点と力を発揮できず、チームは1分2敗で勝ち点を落としていた。

 第4週は空き週。東大との第5週を迎えるまでの期間を、法大・大島公一監督は明かす。

「責任感がある。自分自身に腹が立っていたのか、必死に練習をしていました」

 早大戦までは打球方向などを設定して打席に立っていたが、「自分のスイングをする」ことを徹底。東大戦では2戦連続アーチを含め、計2試合で8打数5安打7打点につなげた。通算6本塁打。今春は2本塁打を放っており、年間5本と、量産体制に入っている。

「本塁打へのこだわりはありません。打席できっちり、自分のスイングができている。2試合連続で打てたことに関しては良かったですが、毎日、気持ちを切り替えてやっている。また、明日、一から集中していきたい」

 勝負師である。今夏は侍ジャパン大学代表でプレー。アメリカとのハーレムベースボールウィーク(オランダ)の決勝では、逆転2ランで頂点へと導いた。チェコとオランダで、2つの国際試合で優勝を経験。勝つ喜びを知るだけに、もどかしい日々が続く。しかし、試合は待ってくれない。前を向く。

「(早大戦後は)だいぶ、悔しくて……。何も手がつかないこともありました。今日の黒星も(早大戦と)同じく悔しい。この負けは、変えられない。3回戦に向けて、自分たちのコントロールできることをやっていく」

 法大の背番号4には、チームを背負う覚悟がある。勝利のための1プレーに集中していく。

文=岡本朋祐
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