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武内夏暉、前田悠伍、古謝樹…順調な成長ぶりの「パ・リーグドラ1採点簿」

 

 今秋のドラフト会議が近づいた中で、1年前に指名されたドラフト1位の選手はどのような活躍を見せただろうか。パ・リーグは新人で2ケタ勝利をマークした武内夏暉(西武)を筆頭に順調な成長ぶりを見せていると言ってよいだろう。高卒、大卒と置かれた立場の期待値と照らし合わせながら、各選手の今年の活躍ぶりを採点してみた。来年以降に大きく飛躍する可能性を持った選手が多く、楽しみだ。

福岡ソフトバンクホークス


ソフトバンク・前田悠


前田悠伍=80点
※今季成績 1試合登板、0勝0敗、防御率18.00

 将来の左腕エースと嘱望される逸材は、高卒1年目で1軍デビューを飾った。10月1日のオリックス戦(みずほPayPay)に先発登板して3回8安打6失点。逆転勝利で黒星がつかなかった。プロの洗礼を受けたが、大きな糧になっただろう。ウエスタンでは12試合登板で4勝1敗1セーブ、防御率1.94と抜群の安定感。野球に向き合う姿勢がストイックで、芯の強さを感じさせる。高卒2年目で13勝と大ブレークした宮城大弥(オリックス)のような成長曲線を描けるか。

北海道日本ハムファイターズ


日本ハム・細野


細野晴希=70点
※今季成績 2試合登板、0勝0敗、防御率3.86

 最速158キロの直球が魅力の本格派左腕。大卒だが制球力に課題を抱えてまだまだ未完成のため、1年目から即戦力で稼働するというイメージではなかった。一軍のマウンドで2試合登板したことは良い経験になっただろう。左肩の不調で夏場はリハビリに費やしたが、フェニックス・リーグから復帰。150キロを超える球威十分の球を投げ込んでいる。一軍の先発ローテーションで1年通じて稼働するにはもう少し時間が必要だが、スケールの大きさは他の投手にない。覚醒の時が楽しみだ。

千葉ロッテマリーンズ


ロッテ・上田


上田希由翔=70点
※今季成績 21試合出場、打率.259、0本塁打、7打点、0盗塁

 実力を考えれば満足できる数字ではない。1年を振り返ったとき、悔しさのほうが大きいだろう。打撃の状態が上がってきていたが、7月2日の日本ハム戦(エスコンF)で右太もも裏の違和感で登録抹消に。大学時代からの古傷で、その後は一軍に再昇格が叶わなかった。スイングスピードが速く、広角に打ち分ける打撃技術は一軍で十分に通用する。来季は三塁の定位置奪取を狙う。

東北楽天ゴールデンイーグルス


楽天・古謝


古謝樹=80点
※今季成績 15試合登板、5勝8敗、防御率4.32

 残した数字以上に存在感を発揮した。先発ローテーションで83回1/3を投げ、5勝をマーク。スライダー、ツーシーム、チェンジアップと変化球は被打率1割台で手応えをつかんだだろう。直球の被打率.292を改善すれば、投球の幅が広がる。好不調の波が激しいため、試合中の修正能力が課題になるが、まだまだ伸びしろ十分。左腕エースの早川隆久という良きお手本がいる。切磋琢磨して来季は2ケタ勝利を狙う。

オリックス・バファローズ


オリックス・横山


横山聖哉=75点
※今季成績 12試合出場、打率.150、0本塁打、0打点、0盗塁

 高卒1年目で一軍デビューを飾ったスター候補生。まだまだ攻守で粗削りだが、非凡な野球センスを随所で見せた。ウエスタンで86試合出に場し、打率.223、1本塁打、22打点。プロの壁の高さを感じたが、心身共にタフで1年間を走り切った。チームが5位に低迷したため一軍で出場機会が得られた側面はあるが、将来の中心選手として球団の期待は大きい。先輩の紅林弘太郎のように、高卒2年目で定位置をつかめるか。

埼玉西武ライオンズ


西武・武内


武内夏暉=100点
※今季成績 21試合登板、10勝6敗、防御率2.17

 借金42の最下位に低迷した西武の中で、希望の光だった。直球の平均球速は145キロと決して速い部類ではないが手元で伸びる軌道で差し込み、多彩な変化球を織り交ぜて凡打の山を築く。新人離れした投球技術でゲームメーク能力が高く、クォリティスタート(QS、先発投手が6回以上投げて自責点3以下)率は76.2%。規定投球回数に到達し、防御率はリーグ2位だった。「2年目のジンクス」は心配ないだろう。球界を代表するエースへ、期待はふくらむばかりだ。

写真=BBM
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