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【大学野球】プロレベルの脚力を持つ早大・石郷岡大成 リーグ2位の打率.393、同1位の12四死球

 

左翼守備でもチームプレーに徹する仕事人


八番・石郷岡は4回裏に右翼線へ適時二塁打。貴重な2点目を挙げた[写真=矢野寿明]


【10月21日】東京六大学リーグ戦第6週
早大2-0明大(早大2勝1分け)

 6勝1敗1分け、勝ち点3の同率で迎えた明大戦。早大は2勝1分けで、勝ち点4を挙げた。

 早大には恐怖の八番打者がいる。俊足の左翼手・石郷岡大成(3年・早実)だ。明大3回戦では、持ち味を存分に発揮した。

 3回裏、先頭打者で四球で出塁すると、二番・山縣秀(4年・早大学院)の適時打で先制のホームを踏んだ。4回裏二死一、三塁から右翼線への適時二塁打。2対0とリードを広げる、貴重な追加点を挙げた。

 4カードを終えて打率.393はリーグ2位。特筆すべき数字は、リーグトップの12四死球。明大2回戦の第1打席では、12球粘って出塁した。追い込まれてからのファウル。相手バッテリーからすれば、厄介な存在だ。

 早大・小宮山悟監督にチームへの貢献度を聞くと、終盤のワンシーンが見過ごせなかった。8回裏二死二、三塁。明大バッテリーとしてはもう、1失点も許されない場面である。一塁が空いており、申告敬遠の選択肢もあったはずだが八番・石郷岡に対して、勝負に出てきた。この第4打席を迎えるまで、チームトップの打率.407である。打席結果は、遊飛に終わった。「アウトを取る確率が高い4割バッター」(小宮山監督)。手厳しい指揮官の言葉も、石郷岡への期待の裏返しである。

 賛辞を付け加えることも、忘れなかった。

「まだ、3年生。一回りも二回り成長しないといけない。あの脚力(50メートル走6秒0)があれば、上のレベルでも通用する。(送り込めるように)何とかしてあげたい」

 下位打線に俊足の七番・梅村大和(4年・早実)と八番・石郷岡がいるのは、心強い限り。どこからもチャンスをつくれるのが、今春を通じて早大の得点パターンとなっている。天王山・明大戦で勝ち点を挙げ、春秋連覇へマジック1。打撃に加え、左翼守備でもチームプレーに徹する仕事人は、欠かせない存在だ。

文=岡本朋祐
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