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【大学野球】東農大が味わった1シーズンで二部降格という現実「すぐ上がる意識を持って、やり返しに来たい」

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入れ替え戦でも力を発揮できず


北口監督は入れ替え戦敗退後、すぐにメンバーを一塁ベンチ前に集めてミーティングを行った[写真=矢野寿明]


11月17日▼神宮
【東都大学一部・二部入れ替え戦】
東洋大19-2東農大
(東洋大は一部昇格)

 東都大学野球一部・二部入れ替え戦は二部1位・東洋大が一部6位・東農大を連勝で下し、3季ぶりの一部昇格を決めた。

 東農大は今春、駒大との一部二部入れ替え戦を制して31年ぶりの一部昇格を決めたが、今秋は1勝10敗、勝ち点0の最下位。入れ替え戦でも力を発揮できず、1シーズンで二部降格という現実と向き合うこととなった。

 1回戦は接戦だったが9回裏、サヨナラで落とした(1対2)。2回戦は初回から8失点と厳しい立ち上がり。2回以降も相手打線の勢いを止めることができず、19失点で大敗した。

 絶望的な展開となったが、東農大の一塁ベンチが沈むことは一度もなかった。一塁側の応援席も統率のある伝統応援を繰り広げ、選手たちを後押しし続けた。主将・和田泰征(4年・習志野高)も下を向くことはなかった。

「かなり大勢の方が応援してくださっていましたので、あきらめる姿を見せることはできない。全力疾走。一生懸命振る、一生懸命投げることを約束し、最後までやってくれた」

 北口正光監督は「4年生が、このチームを作ってくれた」と評価しながらも「まだ、全力疾走の精度を、高めることができる。私は(亜大出身で同野球部のモットーである)全力疾走をやってきましたので、さらに突き詰めていきたい」と、あらためて、常日頃から取り組む基本姿勢の大切さを訴えた。

 学生野球としての心を安定させた上で、さらなる技術アップを目指す。北口監督は東都一部と二部の野球の違いを語った。

「スピード、パワー。この13試合(一部11試合、入れ替え戦2試合)を経験できたことは大きい。勢いで上がってきましたが、気持ちだけではなく、体力面も鍛え直さないといけない。良い選手を入学させ、良い練習をすれば、勝てる。監督に就任して3年、この2年は補強してきましたので、来年のチームもイメージできている。4年生の姿を見て、3年生以下は、何をしなければいけないのか分かっているはず。二部ですぐ上がる意識を持って、やり返しに来たい。休んでいる場合ではない。明日から練習をスタートさせたい」

2対19で迎えた9回裏、東農大は最後まで全力プレーを貫いた[写真=矢野寿明]


 主将・和田は「残りの時間も、最後まで面倒を見たい」と、新チームにおけるサポート役を買って出ることを約束した。「個々の実力は高くないので、束になっていかないと勝てない。自分たちが意識してきたように、上下の学年の壁をなくして、全員で戦う環境を整えてほしい。この秋の経験値は大きいので、自信を持ってプレーすれば勝てる。すぐに一部に上がってほしい」と、後輩に期待を込めた。

 東都二部も群雄割拠の戦国リーグであり、厳しい戦いとなるのは、覚悟している。東農大は今春、31年ぶりに一部復帰した同じ神宮の一塁ベンチから、来春への再出発をした。

文=岡本朋祐

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