今季は15本塁打をマーク
オリックスの契約保留選手名簿から外れ、自由契約になったレアンドロ・セデーニョが
西武と契約合意したことが12日に報じられた。
パ・リーグ球団の編成担当は高い評価を口にする。
「技術面で日本野球への対応力が上がっていると思います。好不調の波が激しいのは一発を狙ってスイングが大きくなるから。逆方向にも安打が打てるので強引さが消えれば空振りが減って、さらに打率が上がると思います。明るいキャラクターですし、チームのムードメーカーになれる存在です」
メジャー経験はなく、2022年オフにオリックスと育成契約で入団。「契約に関しては、深く思わないようにしているよ。とにかく自分のベストを尽くして、いい成績を残すこと」と語っていたが、有言実行ではい上がった。昨年は春先からオープン戦で一軍帯同。「毎日一生懸命に練習をやっていくこと。打席の中ではなるべくシンプルにやっていこうということ。それを続けてやっていこう、と思っていたんだ」と結果が出なくても黙々と練習を重ねた。
ファームで快音を連発し、5月19日に支配下登録。「フォークの対応が一番困ったね。対応するために、今までよりも小さくてコンパクトなスイングをしないといけない。そのあたりをファームでしっかりと意識してやっていたことなんだよ」。一軍の舞台で活躍するために積み重ねた鍛錬の日々が結実する。7月4日の
楽天戦(東京ドーム)で
田中将大から来日初アーチ。1週間後の11日の
ロッテ戦(京セラドーム)では、C.C.メルセデスのカーブを右翼席に運ぶ満塁アーチを放った。ダイヤモンドを一周すると、両手を左右の頬に当ててハートを作るパフォーマンスを披露。育成入団した外国人選手として初の満塁本塁打だった。
57試合出場で打率.244、9本塁打、34打点をマーク。来日2年目の今季は打撃不振で2度のファーム降格を味わったが、打ち始めると手が付けられない爆発力があった。98試合出場で打率.260、15本塁打、37打点を記録した。
育成からはい上がった助っ人
過去に育成契約で入団し、日本で活躍した助っ人外国人がアーロム・バルディリスだ。08年に阪神に入団すると、三塁の堅実な守備が首脳陣の目に留まり、5月に支配下登録を勝ち取り一軍昇格。77試合出場で打率.227、3本塁打、16打点をマークした。翌09年は23試合出場にとどまったが、ウエスタン・リーグでは打率.358の好成績で首位打者を獲得。10年にオリックスに移籍すると、打率.301、14本塁打、50打点をマークするなど勝負強い打撃を見せ、守備でも7失策は100試合以上三塁の守備に就いた選手の中で最少だった。その後も中距離打者としてチームの核になり14年からDeNAに移籍して2年間プレー。6年連続2ケタ本塁打をマークした。
得点力アップへ起爆剤に
丸刈り頭がトレードマークだったが、DeNAでプレーした15年はモヒカンヘアに。髪型の変化について週刊ベースボールの取材で、こう語っていた。
「昨年までは丸刈り頭にすることが多かったね。日本で長くプレーするようになったし『初心を忘れない』という意味もあったんだ。スタートが育成選手だったから。今シーズンは自己流のモヒカン。両サイドを刈り上げるスタイルだね。オリックスからDeNAに移籍して、チームとしても個人的にも悔しい思いをした。『今年は違うぞ』という意気込みを示すためにも、丸刈りはやめたよ。色も少し、部分的に入れて、ハイライトカラーにした。オフにする髪型で『マイアミスタイル』って呼んでいるんだ。チームメートの評判もいいし、われながらグッドだと思うよ(笑)」
セデーニョも自慢の長打力と確実性を兼ね備えた強打者に成長すれば、日本で長い期間プレーできるだろう。球団史上ワーストの91敗で最下位に低迷した西武はリーグワーストの350得点。2ケタ本塁打をマークした選手はゼロだった。得点力アップに向け、セデーニョは起爆剤になれるか。
写真=BBM