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巨人で23本塁打マーク…日本球界でプレー熱望の長距離砲に「長打力は魅力」高評価が

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来日1年目に23本塁打


巨人時代の2022年に23本塁打を放っている


 ソフトバンクのV旅行に参加しているアダム・ウォーカーは今季限りでの退団が決まっているが、来季以降もNPBでのプレーを希望している。

 他球団のスコアラーは、こう評価する。

「推定年俸1億円から大幅ダウンは避けられませんが、あの長打力は魅力です。日本の野球に適応しようと必死な姿が見えるし、実際に来日1年目に巨人で活躍している。守備力を考えると指名打者制のパ・リーグのほうが合う。格安の年俸ならもう1年チャンスを与えても良い選手かなと感じます」

 メジャー経験がなく、来日前はアメリカ独立リーグでのプレーしていたため、映像もなく未知数だった。推定年俸30万ドル(約3400万円)と注目度は高くなかったが、期待以上の活躍を見せる。2022年に124試合出場で打率.271、23本塁打、52打点をマーク。規定打席には到達しなかったが、強烈なインパクトを残した。外野の守備に不安を抱え、リーグワーストの5失策を喫したが、亀井善行一軍外野守備走塁コーチ(現巨人一軍打撃コーチ)の指導を受けながら、連日特守を受けて守備強化に励んだ。明るい性格でナインにすっかり溶け込み、ムードメーカーに。同年オフに大幅アップの推定年俸1億円で2年契約を結んだ。

外国人が活躍するための条件


 現役時代に巨人で17年間プレーし、コーチも10年間務めた野球評論家の岡崎郁氏は、週刊ベースボールの読者からの質問にプロフェッショナルが答える「ベースボールゼミナール」で、日本で活躍する助っ人外国人について以下のように分析している。

「現役時代、指導者時代とたくさんの外国人選手を見てきましたが、特に打者に限って言えばアジャスト能力があるかどうかが結果を左右すると思いますね。打者は受け身の立場であり、投げてきた球に対応しなければなりません。それが日本の投手は基本的にすべて初対戦という状況ですので、なおさら打つことが難しい。投手の傾向を頭に入れて、実際の打席での感覚も大事にして打席を重ねていかなければいけません。守備・走塁も含め、やらなければいけない課題に我慢強く向き合えるかが大事でしょう」

「日本の野球を受け入れるというのも大事です。今はどうか分かりませんが、ひと昔前は、カウントが0-2、1-3といったボール先行のカウントでは、アメリカでは投手は直球しか投げない。それを日本でも同じように考えて直球一本で待っていた助っ人が変化球を空振りしてしまう。しかも何度も。日本とアメリカではまったく違う野球をしていることをいつまでも理解しない選手はやはり、結果を残すことはできないわけです。ただ、そういったプレー面以外にも日本で活躍するための要素はたくさんあります。性格面もそうですし、文化や環境が合うかどうかもそう。これは挙げればきりがないです。総合的に言ってもアジャスト能力が大事になると思います」

新天地で力を発揮できず


ソフトバンクでは自らの能力を発揮できなかった


 さらなる飛躍が期待されたウォーカーだが、その後は苦しい時期が続いた。昨年は春先から打撃不振で状態が上がらず、57試合出場で打率.263、6本塁打、20打点。同年オフに高橋礼泉圭輔とのトレードでソフトバンクに移籍して中軸で期待されたが、20試合出場で打率.169、1本塁打、3打点。4月30日に登録抹消されると、その後に一軍に再昇格することはなかった。ウエスタン・リーグでも73試合出場で打率.201、7本塁打、25打点とアピールできず、来年の戦力構想から外れた。

 ウォーカーと同じタイミングで巨人に入団し、親交が深かったグレゴリー・ポランコ(ロッテ)は昨年からロッテに移籍し、26本塁打で来日初のタイトルを獲得。今季は打率.243、23本塁打、60打点をマークし、来季の残留が決まっている。劣勢の展開でも一振りで試合をひっくり返す一発は稀少価値がある。日本での現役続行を望むウォーカーに吉報は届くか。

写真=BBM

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