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巨人入団のR.マルティネス 「外国人選手史上初」の「20代で名球会入り」可能性が

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抑えで活躍もチームは低迷


今季は43セーブを挙げてタイトルに輝いたマルティネス


 中日ライデル・マルティネス巨人に移籍することが12月16日に発表された。マルティネスは「読売巨人軍と契約できたことを心から嬉しく思っています。これまでと変わらずライデル・マルティネスとして全力でプレーし、2025年がジャイアンツの年になるように頑張ります。東京ドームでファンの皆様の前で投げられるのを楽しみにしています」と球団公式ホームページを通じて、意気込みを語った。

 難敵が頼もしい味方になる。中日で2020年から守護神を務め、22、24年と最多セーブ投手に輝いた。対戦するセ・リーグ球団の打撃コーチは「球の速さ、変化球のキレが良いことに加えて制球力がいい。課題だったクイックも改善されているので、走者を出してもなかなか得点圏に走者を進められない。12球団で最も攻略が難しいリリーバーだと思います」と評する。

 マルティネスは17年に育成契約で中日に入団し、18年に支配下昇格したが在籍8年間でAクラスに進出したのは、3位に入った20年のみ。同年はコロナ禍によりペナントレースが120試合制で行われ、クライマックスシーズン(CS)が開催されていない。日本一の守護神がリーグ優勝どころか、CSに出場した経験がない。チームが白星を重ねなければ、個人タイトルを獲得しても心から喜べないだろう。

残り84セーブで通算250セーブ


 今季は球団史上初の3年連続最下位に低迷。マルティネスはナインと良好な関係を築き、名古屋を気に入っていた。愛するチームを離れることは葛藤があっただろう。残留に全力を注いだ中日のほか、4年ぶりのV奪回を飾った巨人、下克上で26年ぶりの日本一に輝いたDeNAが獲得に乗り出す中で、悩み抜いた末に巨人入団を決断した。

 巨人には大勢という守護神がいる。今季は29セーブをマークするなど、新人から抑えで稼働している。マルティネスの加入で起用法が注目されるが、8回が大勢、9回がマルティネスで「勝利の方程式」を結成する可能性が最も高い。助っ人右腕は来日通算166セーブを積み上げている。残り84セーブで名球会入りの条件となる250セーブに到達する。過去に通算250セーブを達成した投手は、岩瀬仁紀氏(元中日)、高津臣吾氏(現ヤクルト監督)、佐々木主浩氏(元横浜、マリナーズ)の3人のみ。マルティネスは現在28歳。30歳の誕生日を迎える再来年の10月11日までに大記録に到達すれば、外国人選手で史上初の20代で名球会入りとなる。

過酷な「抑え」というポジション


現役時代に抑えとして活躍した高津監督


 抑えは「最も過酷なポジション」と言われる。抑えて当たり前と見られ、痛打を浴びれば批判の矛先が向けられる。救援失敗は自身の成績だけでなく、先発の白星を消してしまうケースがあるので精神的ダメージが大きい。高津監督は現役時代に最優秀救援投手のタイトルを4度獲得。日本一を4度経験するなどヤクルト黄金時代の抑えで輝いた。日本で通算286セーブ、メジャーで通算27セーブを挙げ、韓国、台湾、国内の独立リーグでもプレーした。抑えの難しさについて、週刊ベースボールのインタビューで、以下のように語っている。

「楽なことなんて一つもなかった。もちろん野球選手はみんなそうかもしれませんが、特にリリーフピッチャーというのはしんどいことばかり。それは、プレッシャーによる精神的な部分と、毎日投げなきゃいけないという肉体的なつらさと、すべてが入り混じっていて、それらを特に強く感じるポジションですからね」

「僕は切り替えがうまい方ではなかったんです。次の試合、そのまた次の試合まで引きずってしまうタイプ。うまくシーズンが流れていってても、一度パッと切れてしまうと、そこから失敗が続いてしまうこともありました。それは明らかに精神的なもの。投げる球自体はそんなに変わっていなくても、気持ちの部分で負けてしまっていたことは何度かありましたね。意外に思われるかもしれませんが、抑えの人はみんなそうなんですよ。以前、佐々木(佐々木主浩)さんや岩瀬(岩瀬仁紀)と話をする機会がありましたが、2人とも簡単なポジションではないという話をしていました。佐々木さんでも切り替えるのはすごく難しかったと。それを聞いてあらためて、そういうポジションなんだなと感じましたね」

「とにかく9回は、全部ギリギリですよ。それは援護が何点あろうと変わりません。クローザーとして出ていくときに関して、余裕はまったくないですね。9回には何が起こるか分からないので、何点差あってもやっぱり気は抜けない。そのプレッシャーは相当なもの。だけどそれはもうしょうがない。そういうポジションですから」

 マルティネスに寄せられる期待は大きい。重圧を乗り越え、巨人でも絶対的守護神として君臨できるか。

写真=BBM

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