日本人選手の花形ポジションだが……

セで外国人としては初めて三塁のベストナインを受賞したレオン
前回は助っ人の二塁手を振り返ってみたが、今回は三塁手。日本人選手にとっては花形といえるポジションで、1958年に
長嶋茂雄が
巨人へ入団、国民的スターになってから、チームの主砲といえる強打者たちが三塁手として活躍した。外国人選手は一塁手に強打者が多く、三塁手が一塁手の陰に隠れている印象もある。
セ・リーグの歴史を振り返ると、58年から74年までは長嶋がベストナインを独占。長嶋は74年いっぱいで現役を引退しているから、現役時代は1度もベストナインを他の選手に譲らなかったことになる。その後も
衣笠祥雄(
広島)、
掛布雅之(
阪神)、
原辰徳(巨人)ら各チームのスター選手がズラリ。その牙城を86年に初めて崩したのが、一塁手の印象が強い
レオン・リー(
ヤクルト)だった。
レオンは前年、大洋(現在の
DeNA)時代に
近藤貞雄監督による内野の“裏返しコンバート”で一塁から三塁へ回っており、
ロッテ時代の80年に一塁で選ばれて以来、自身2度目の受賞。その後は90年代に入って90年に
バンス・ロー(
中日)、92年にはMVPにもなった
ジャック・ハウエル(ヤクルト)、そして97年と99年には
レオ・ゴメス(中日)が選ばれている。21世紀では2014年の
エクトル・ルナ(中日)が今のところ最初で最後だ。ベストナイン受賞はないが、守備の名手だった
クリート・ボイヤー(大洋)、阪神で三塁を守った
トーマス・オマリーもいる。
一方のパ・リーグでも同様の傾向はあるが、1966年に“三銃士”で話題を呼んだ
トニー・ロイ(西鉄。現在の
西武)が第1号。西武の黄金時代が幕を開けた82年からスティーブ・オンティベロスが第2号となり、2年連続で受賞している。21世紀に入ると、2006年に
ホセ・フェルナンデス(
楽天)、07年に広島時代の04年には二塁手としても選ばれたことがある
グレッグ・ラロッカ(
オリックス)と助っ人が連続して受賞。13年に楽天を初のリーグ優勝、日本一に導いた
ケーシー・マギーが選ばれると、16年に
ブランドン・レアード(
日本ハム)、翌17年には
ゼラス・ウィーラー(楽天)が選ばれて、助っ人たちが存在感を発揮し始めている。21世紀に入って誕生した楽天の系譜が強い印象だ。
写真=BBM