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【大学野球】慶大新主将に右腕・外丸東眞が就任 「背負えるものは、すべて背負ってやりたい」

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小学生以来の大役


慶大・外丸は東京六大学通算14勝。卒業後の進路は「プロ志望」である[写真=BBM]


 慶大が1月12日、2025年の活動をスタートさせた。主将には現役最多14勝を挙げている右腕・外丸東眞(4年・前橋育英高)が就任した。小学生以来の大役だという。

 慶大で投手が主将を務めるのは08年の右腕・相澤宏輔(熊本高)以来17年ぶり。なぜ、東京六大学のキャプテンナンバー「10」を着けることになったのか。2つの経過がある。まずは本人が言う。

「1年春からリーグ戦で登板させていただき、神宮で最も経験を積ませてもらっています。3年秋のシーズン途中から薄々、感じていました。そして、4年生が引退して、自分がやるしかない。覚悟を決めました。背負えるものは、すべて背負ってやりたいと思います」

 そして、慶大・堀井哲也監督が明かす。

「学生からの推薦です。強い意志を感じたので『頼む』と。プレーヤーとしての実績は断トツ。私は外丸で行きたいと考えてきましたが、あくまでもウチは選手の声を反映させます。推薦を受け、彼の口から決意を聞いたんです。『僕がやらなければ、誰が引っ張るんだ』と。5年間見てきましたが、まずは選手としての自分自身が大事。パフォーマンスが上がれば、チーム全体も良い方向へ向かうもの。外丸は日本一も経験している。(2年秋の明治神宮大会優勝)背中を押していきたいです」

 懸念材料は、昨秋のシーズン途中離脱である。1年春から3年春まで5季連続で白星を挙げていたが、昨秋は初めて未勝利に終わった。右肩に違和感が出た。無理をさせず、3カード目以降は登板を回避。治療に専念し、今春の完全復活に向けての不安はない。

「球速が欲しくて、上げようとしてトレーニングをしたんですが、体への負担が大きかった。打者から見て、打ちにくいボールを投げるのが本来の武器。持ち味を生かして、スピードはその結果としてついてくればいいと、考え方を見直しました」

 すでに遠投は100パーセントの出力で投げられる状態にあり、近く、ブルペン入りする。2月中旬からの大分・鹿児島キャンプで調整を重ね、オープン戦とピッチを上げ、4月の開幕を目指していく。

「言葉で引っ張るタイプではないので、姿で見せていけたらいい」

目標は「最優秀防御率と5勝」


 年末には収穫があった。昨年7月の侍ジャパン大学代表でチームメートだった中大・繁永晟(4年・大阪桐蔭高)と創価大・立石正広(4年・高川学園高)と、箱根に日帰り温泉に行った。「露店風呂で2時間。ずっと、野球の話をしていました。2人は打者なので、参考になる部分がたくさんありました」。

 昨年はライバル・早大が9年ぶりの春秋連覇。早大のエース・伊藤樹(4年・仙台育英高)をライバル視しており「最後の1年で勝ちたい」と意欲を燃やす。最終週、早慶戦での投げ合いからも目が離せない。主将兼エースとして、今春の目標は「最優秀防御率と5勝。チームを勝利へ導きたい」と抱負を語る。

 2年春から2年間着け、愛着のあった背番号「18」から、主将の「10」へ。慶應義塾体育会野球部151人の顔として、けん引していく。

文=岡本朋祐

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