際立つ鋭いスイング

大阪桐蔭高出身の早大・徳丸は高校通算38本塁打の長打力が持ち味だ[写真=BBM]
早大は2月1日、総合型選抜2群(アスリート選抜入学試験)で合格した新1年生4人が合流。午前9時から約5時間、活動拠点の安部球場(東京都西東京市)で初練習を行った。
ネット裏でのティー打撃。大阪桐蔭高出身の徳丸快晴の鋭いスイングは、すでに際立っていた。高校通算38本塁打。昨春以降に完全移行された、従来よりも低反発である新基準の金属バットでは10本塁打を放った。すっかり木製バットに順応している。東京入りするギリギリまで母校グラウンドで練習を積んできており、体のキレは抜群である。
「初日ということで、楽しみにしていました。1日でも早く、試合に出られるように、大学レベルに追いついていきたいと思います」
3歳上の兄・天晴さん(NTT西日本)は智弁和歌山高で2021年夏の甲子園で全国制覇を遂げた。兄は右の強打者であり、弟は左のパワーヒッター。高校時代は「両投げ」で、内野を守ることもあったが、大学では「左一本」で外野に専念する。高校3年時はドラフト候補にも挙がったが「まだ、実力不足。野球だけではなく、早稲田大学でしか学べない知識、人としての力を身につけた上で4年後、ドラフト上位でプロに行き、1年目から活躍したい」と、大学進学の背景を語る。
「三振を少なく、ムダな打席を極力なくす。アウトでも良い内容を求めている。大学は投手のレベルも上がりますが、力強いスイングから長打も打てて、首位打者を目指していきたい。早い段階から試合に出て、リーグ優勝、日本一に貢献する。個人としては高校3年時に侍ジャパンで良い経験をさせてもらったので、大学日本代表にも早い段階で入りたい」
早大には大阪桐蔭高の先輩である副将・前田健伸(4年)が在籍。昨年のベストナイン一塁手で、同じ左打者であることから、身近で吸収できる環境にある。過去にも多くの同校卒業生が同ルートを歩んでおり、「2018年に甲子園で春夏連覇遂げた際の主将・
中川卓也さん(東京ガス)の早慶戦でのプレーを、高校時代に見てあこがれてきた」と目を輝かす。
理想の左打者は高校の先輩である
オリックス・
森友哉に、レッドソックス・
吉田正尚の名前を上げる。持ち前の打力で、今春からのレギュラー獲得を虎視眈々と狙っている。
文=岡本朋祐