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ヤクルトが優勝争いのダークホース? 他球団から「混戦になれば不気味」

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2年連続5位に低迷


ヤクルトを率いる高津監督


 ヤクルトの主力に負傷者が続出している。主将の山田哲人が左手指の腱を負傷して離脱。不動の四番・村上宗隆も上半身のコンディション不良でリハビリ中と開幕に間に合うか微妙だ。守護神で起用する方針だった最速159キロ右腕のマイク・バウマンも上半身のコンディション不良を訴えて一軍に合流する時期が不透明となっている。

 2021、22年とリーグ連覇を飾ったが、23、24年と2年連続5位に低迷。優勝争いに絡めなかった理由は故障者が続出したことが大きい。昨年は開幕戦で山田哲人が負傷交代して離脱、5月にリードオフマンの塩見泰隆が左膝前十字靭帯と半月板損傷でシーズン復帰が絶望となった。正捕手の中村悠平、打線の中軸を担うドミンゴ・サンタナもコンディション不良で戦列を離れるなど、ベストメンバーで戦える時期が皆無に近かった。

オフに茂木を獲得


今季、ヤクルトに加入した茂木


 故障者が出たときに戦力層の薄さを露呈した反省を踏まえ、昨オフに楽天から茂木栄五郎をFAで獲得。山田は必要不可欠な選手だが、ここ数年は度重なる故障で思い描いたパフォーマンスを発揮できていないことを考えると、二塁の絶対的なレギュラーとは言えない。茂木は楽天の中心選手として活躍し、近年は出場機会を減らしていたが、昨年は代打で25打数12安打、打率.480、1本塁打、5打点と驚異的な数字をマーク。打撃技術はさびついていない。新天地で大きなプラスアルファをもたらせるか。今年2月に週刊ベースボールのインタビューで以下のように語っていた。

「いろいろと試行錯誤する中で、もちろん長打を打てるに越したことはないのですが、その中でも確率よく長打が打てないと試合で使い物にならないですし、試合に出続けることもできないのはここ3年でもすごく感じていて。打撃練習でいくらホームランを打っても、試合でバットに当たらない、安打にできなかったら意味がないので。長打力もそうなんですけど、確率良くバットの芯でとらえることはすごく大事なのかなと思います。『確率良く芯で打てていれば自然と長打も出てくる』という考えのほうが僕はいいのかなと。長打を狙うよりも、結果的に確率良く長打になる感覚のほうが、自分の良さが出るんじゃないかなと、バッティング練習をしたり、実戦に入る中で思い始めてきています」

「あまり(青写真は)描かないんですけど、今年に関しては本当に1年間ずっと一軍にいて、チームの優勝の戦力になることしか考えていないので。変な言い方かもしれないですが、普通にやっていたら(内野の)レギュラーはほとんど決まっているような状態ですけど、その中で何が起こるかは分からないですし、いただいたチャンスをしっかりものにして、チームに必要な存在だというところを見せていきたいです。野球は9人でやるスポーツですが、9人だけではシーズンは絶対に乗り切れないと思います。ここ数年は一軍に1年間いることがなかったので、今年はそこを絶対にクリアして、戦力になりたい気持ちは強く持っています」

チームスローガンは「捲土重来」


 昨年はリーグワーストの防御率3.64だった投手陣の立て直しもポイントを握る。開幕投手を務める奥川恭伸高橋奎二吉村貢司郎は先発の柱として稼働してもらわなければ困る。巻き返しへの道は険しいが、21年も2年連続最下位からV奪回を果たしている。他球団のスコアラーは「塩見が入るとまったく違うチームになります。打線の破壊力はリーグ屈指ですし、投手陣も力のある投手が多い。混戦になれば不気味です」と警戒を強める。

 今季のチームスローガンは「捲土重来」。天国に旅立った衣笠剛代表取締役会長CEOオーナー代行、球団マスコット「つば九郎」の担当者のためにも明るいニュースを届けたい。チーム一丸となり、長いシーズンを戦い抜く。

写真=BBM

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