春夏通じて初出場でベスト4

特徴的なフォームの左腕・石戸が浦和実高4強の原動力となった[写真=牛島寿人]
センバツ甲子園は3月30日、横浜高(神奈川)の19年ぶり4度目の優勝で全日程を終えた。閉会式の冒頭では、日本高野連・寶馨会長の講評があった。
ピックアップしたのは、上位進出4校である。優勝・横浜高、準優勝・智弁和歌山高、前年優勝校で今大会4強・健大高崎(群馬)。そして、最後に紹介したのが、春夏を通じて初出場で準決勝進出の浦和実高(埼玉)だった。
「今春はベスト4に関東地区から3校が進出しました。近年、関東地区のレベルが上がってきていまして、センバツ大会でも証明されました」
浦和実高の戦いぶりついて、言及している。講評で触れた4校で、最も時間を割いた。
「前足の膝が顔の高さまで上がる、特徴的な投球フォームの(サウスポーの)石戸(石戸颯汰)投手が相手に点を許さず、勝ち上がっていきました。序盤に得点しながら、追いつかれても、後半に集中打で大量得点を挙げて勝ち上がったのが印象的です」
1回戦で滋賀学園高(滋賀)、2回戦で東海大札幌高(北海道)に勝利して8強進出。聖光学院高(福島)との準々決勝では、4対4のまま9回で決着がつかず延長へ。浦和実高は10回表、タイブレーク史上最多の8得点を挙げ、準決勝進出を決めている。智弁和歌山高との準決勝は0対5と力及ばずも、全員野球は甲子園に強烈なインパクトを残した。

浦和実高を率いて37年の辻川監督[左から2人目]は春夏を通じて初出場で、チームを準決勝進出へと導いた[写真=宮原和也]
寶会長は、さらに、指導者を労っている。
「辻川(辻川正彦)監督は37年の長きにわたって、浦和実業一筋に指導されてきたと聞いております。こうして長年の間、指導者として尽力されてきたことが、今回の甲子園大会の全国ベスト4という結果として、花が咲きました。あきらめることなく、継続して努力することの素晴らしさを教えていただきました。ベスト4、おめでとうございました!!」
寶会長はかつて母校・京大野球部の部長、監督として学生指導に携わってきたキャリアがある。実力伯仲の関西学生リーグにおいて、西の最高学府が関関同立、近大と伝統ある強豪大学5校と対峙してきた。勝つことの難しさを十分に理解しているからこそ、現場目線に立ったメッセージには説得力があり、愛情が込められていた。あと一歩で、甲子園に届いていない学校の監督にとっても、寶会長の講評は、大きな励みとなったはずだ。